八神部隊長とティアナの
ドタバタ六課珍騒動!







 はやてに呼び出されて、部隊長室にやって来たティアナは早速本題に入る為に重い口を開いた。



「・・・・・・八神部隊長、用件は何ですか?」

「ん、態々ごめんなぁ〜。 ティアナにちょぉ頼みたい事があってな〜?」



 私に? 一体何だろう?



「私に出来る事でしたら・・・・・・構いませんが・・・」

「ホンマに? 悪いんやけど・・・・・・この薬飲んでほしいんよ」



 引き出しから1本の瓶を取り出しデスクの上に置くはやて
 綺麗な青色の瓶はゲームで良く見る、ポーションが入っている瓶にソックリな形状をしている。

 怪しさ大爆発である!

 そんな怪しげな瓶を怪訝そうな顔で見詰めるティアナは恐る恐る中身を問いかける



「・・・・・・八神部隊長・・・何なんですか!? この怪しげな瓶は?? 一体何が入っているんですか!?」

「あーーー。 やっぱり怪しい? 何が入ってるかは秘密や! その方が楽しいしなぁ〜。
まぁ、1日たったら元に戻るから、大丈夫や!」



 ニコニコ微笑むはやてに益々顔を歪めるティアナ

 こ、この人は・・・ナカジマ三佐が言ってた通り、ちび狸だ・・・・・・・・・何を指して大丈夫なんですか!?
 一体何を企んでいるんですか? 八神部隊長!!



「八神部隊長、いくら上司の頼みでも・・・・・・そんな怪しげな瓶に入った薬を喜んで飲むのは
バカスバルぐらいですよ? なので、お断りさせて頂きます。」

「う゛・・・・・・。 ぶ、部隊長命令や! なにがなんでも飲んで貰うで!」

「ちょっ!? 職権乱用!? ずるいですよ、八神部隊長!」

「人聞き悪いなぁ〜 あんまりごねるんやったら2本にするで?」

ごねるとか以前の問題ですよ!? って何で増えるんですか!? 部隊長!?

「・・・・・・・・・・・・・・・。 分かりました、飲みますけど・・・・・・何があっても私は責任取りませんからね!」



 念を押しつつ、瓶に手を掛けるティアナ
 瓶に口を付けて傾け様としたその時、部隊長室の扉を強制解除して一人の人物が入って来た。



「ちょっと、はやてちゃん!! 勝手にティアナに変な薬を飲ませないでくれるかなぁ?」



 怒りで、普段の呼び方をする親友の苦笑いになるはやて



「なのは隊長、わたし部隊長な? それと、薬って何の事やろ? 後、ちゃんと許可取ってから入って来てな?」

「はやて隊長、挙げ足とらないでよ! 誤魔化しても無駄だよ、ちゃんとリインから聞いてるからね!
それと、緊急事態の時は許可とか言ってる場合じゃないからね?」



 ちっ・・・・・・。 リイン余計な事を・・・。



「はやて隊長聞いてるの? ティアナは連れて行くからね?」

はやてを無視してティアナを連れて行こうとティアナの手を取るなのは

「ちょっと待って下さい、なのはさん! 言いにくいんですけど・・・・・・もう飲んじゃいました・・・。」

「え? えぇぇぇぇぇぇ!?」



 言えない…なのはさんの乱入に驚いて思わず飲んでしまったなんて・・・・・・・・・。

 小さくガッツポーズをとりながら、念話でティアナを褒めるはやてに複雑な表情のティアナ



【ティアナ、ナイスや!】

【いや、ナイスと言われても全然嬉しくないんですけど・・・・・・。 それより・・・良いんですか?
八神部隊長、なのはさん怒ってますけど・・・。】

【あーーー。 たぶん大丈夫や! それより、薬の効果そろそろ出てきたんとちゃう?】

【私、何ともありませんけど? どこか変わってるんですか??】



 首を傾げるティアナになのはを見るように指示を出すはやて



【ちゃうちゃう! さっき飲んだ薬はティアナの周りに影響が出るんよ! ほら、なのは隊長見てみぃ?】

「・・・・・・・・・な、ななななななのはさん!?」



 はやてに言われてなのはを見るティアナは、なのはの身体に異変がある事に気付き、思わず叫んでしまう。



「ふぇ? どうしたのティアナ??」



 きょとんとしたなのはに戸惑いながら異変を指摘するティアナ



「いや・・・・・・その・・・猫耳生えてますけど?」

「おぉーーー! ほんまや、なのは隊長は猫か!」



 すずかちゃんが居ったら喜ぶやろな〜♪

 嬉々として、歓声を上げるはやてと自分の身体に在る筈の無い猫耳に叫び声を上げるなのは



「にゃーーーーー!? 本当に猫耳があるーー!! は、はやてちゃん!? 早く元に戻して!!」

「ん? 無理やで! 1日経たな元には戻らへんよ?」

「なっ!? どうしてくれるの、はやてちゃん! こんな姿フェイトちゃんに見られたら・・・・・・・・・わたし困るよ〜〜。」



 なのはの狼狽えっぷりに首を傾げるはやて



「何で? フェイト隊長、大喜びすると思うんやけど?」

「それが駄目なんだってば! 何事にも限度ってものがあるんだよ?
戻れないんだったら、フェイトちゃんに見られない様にはやてちゃんの部屋に泊めてよ!」

「泊めるんは別にええんやけど…フェイトちゃん納得するか? フェイトちゃんもこっちに泊まりにきそうやけど?」

「そこはほら、部隊長だし・・・なんとか誤魔化してよ! 急な仕事で出向してるとか」

「まぁ・・・・・・なのはちゃんがそこまで言うんやったら別にええけど、何でそこまでするん?」

「・・・・・・・・・・・・・・・。 ノ、ノーコメントで!」



 暫くの沈黙の後、苦し紛れのなのはの一言ではやての悪戯スイッチが入る!



「そんな風に言われたら気になるなぁ〜〜。 なぁ、ティアナもそう思うやろ?」

「・・・そうですね」



 部隊長、二人で話してたと思ったら急に話振って来ましたね・・・・・・・・・。



「ちょっ、はやてちゃん! ティアナを味方に付けるのは、ずるいよ〜」

「で、何でそこまでするん?」



 え? スルー? はやてちゃん・・・・・・・・・本当にひどいよ。



「・・・・・・・・・・・・・・・。」



 ジト目で睨むなのはを軽くスルーして、自分のペースに持ってく はやて



「なのはちゃ〜ん、早よせなフェイトちゃん来るよ? 見られてもええん?」

「にゃっ!? だめだめ、絶対だめだよ!」

「ほんなら答えてくれるやろか?」

「あぅ・・・・・・・・・。 二人とも絶対に秘密だからね!! 喋らないって約束出来る?」



 頷く二人に更に念押しして、恥ずかしさで頬を紅く染めながら話すなのは



「もし、喋ったりしたら・・・・・・スターライトブレイカーだからね?」

【・・・・・・・・・ティアナ、あれ、脅しやないで! 喋ったら本気で殺られるからな!!】

【分かってます! 私・・・死にたくないんで、喋りませんよ!!】



 有言実行。 なのはは、やると言った事は絶対にやる!!
 ここでの会話は、墓場まで持って行こうと誓い合うはやてとティアナだった。



「えっとね、フェイトちゃん普段はすごく優しいんだけどね・・・」



 なのはちゃん・・・・・・・・・ノロケ? ノロケに付き合うつもりはないんやけど?



「いや、今更そんな事言われんでも知ってるけど?」

「ち、違うよ! その・・・夜の・・・その・・・・・・」

「あ〜〜〜! 分かった、分かった! つまり性行・・・げふんげふん。 夫婦の営みやな?」



 はやてちゃん・・・・・・最初に言ったのはどういう意味かなぁ? 後でお話しようか?



「・・・・・・でね。 普段は良いんだよ? でも、こんな姿見られたりした後は・・・・・・フェイトちゃんリミッターが外れるって言うか、本当にヤバいんだよ! だから何とかしてよ、はやてちゃん!!」



 ほほぅ・・・・・・・・・。 フェイトちゃんそんなに激しいんか〜?
 普段は尻に敷かれてるのに、ベットでは主導権が変わるっちゅう事か〜



「あの〜 八神部隊長、結局この薬は何なんですか?」

「ん? あぁ、これな? この薬を飲んだ人に触れると、触れられた人は身体の一部が動物化するんや!」

「え・・・・・・。 そんな事してどうするんですか?」

「どうもせえへんよ? 今日はもうオフシフトやし、気分転換に楽しい事しようと思っただけや♪
ちなみに変化する動物やけど、その人の性質を表してるから♪」



 半ば呆れながらもなんだか憎めないなぁと思いつつ、悪戯好きな上司の手をそっと握るティアナ



「何、ティアナ?」

「いえ、八神部隊長は何になるのかなぁ〜と思いまして」

「あ・・・・・・。 はやてちゃんは狸なんだ。 何か納得したよ」

「ちょぉ!? なのはちゃんどういう意味や?」

「なんとなくだよ?」



 さっきから二人で話してるし・・・部隊長は、なのはさんに任せてもう帰っても良いかな?



「あの、八神部隊長・・・私そろそろ失礼しても良いですか?」 

「ティアナ、今日なんか用事あるんか?」

「別に無いですけど・・・・・・。」

「なら、今日はわたしに付き合ってくれへん? 損はさせへんよ〜」



 満面笑顔で微笑むはやてにまぁ良いかと、付き合う事にしたティアナ



「八神部隊長がそこまで言うんでしたら別に良いですけど・・・・・・」

「ほんなら行こか?」

「え? 何処にですか? というか・・・部隊長、狸は気にしないんですか!?」

「狸? 使い魔みたいで可愛いと思えへん? あんまり気にしたらあかんよ〜
こういうのは楽しんだ者が勝ちやねんで! ほんなら、六課のみんな動物化しに行こか?
ちょぉ考えて見てん、エリキャロとか何や小動物ぽいと思えへんか♪」

「た、確かに・・・」

「じゃあ最初にスバルの所行こか!」

「はい! あっ・・・部隊長待って下さいよ!」



 嬉々として走って出ていくはやてに慌ててついて行くティアナ



「行ってらっしゃい♪ ティアナ。 フェイトちゃんが何になったか後で教えてね?」



 なのはさん・・・・・・・・・止めないんですね? まぁ、別に良いんですけど・・・。



「あ・・・・・・はい! なのはさん、行ってきます。」



 八神部隊長の後を付いて行くと、程なくスバルを発見!
 って、部隊長・・・・・・何で、的確にスバルの居場所分かったんですか?



「おぉ! 標的発見や!! ティアナ、突撃やーーー!」



 部隊長らしくポーズを決めるはやてに苦笑いのティアナ



「部隊長・・・突撃しなくても向こうから来ますよ。 というか・・・何でスバルに突撃しないと行けないんですか?
触るだけで動物化するなら、手を握るぐらいで充分ですよね?」

「いや、そこはほら。 ティアナとスバルの仲やん♪」

「・・・・・・・・・・・・・・・どんな仲ですか・・・・・・。」

「ん? 二人は付き合ってるんやろ?」

「なっ!? つ、つ、付き合ってなんかいませんよ!! 何言ってるんですか、部隊長!!」



 顔を真っ赤に染めて狼狽えるティアナを見てニヤリと笑うはやて

 ティアナを見てたらなんやアリサちゃん思い出したわ、二人ともツンデレやからなぁ〜♪
 これは予想以上に楽しめそうやなぁ〜♪



「そうなんかぁ〜? せやけどティアナ、そのわりに顔が真っ赤なんやけど?」

「そ、それは・・・・・・・・・ぶ、部隊長が変な事言うからですよ!!」



 ツン全開やなぁ〜♪ アリサちゃん、後輩がここに居るよ〜 っと
 ここはスバルに頑張ってデレにしてもらわんとなぁ〜



「まぁ、そういう事にしとこか〜? スバル〜 ちょぉ、ええかぁ〜?」

「あ! 八神部隊長〜 お疲れ様です! ティアと二人で何してるんですか?」



 わたしの呼び掛けでトテトテと一直線にやって来るスバル。 何にでも素直なんがこの娘のええ所やなぁ〜♪
 さて、早速で悪いんやけど協力してもらうで!



「スバル、説明より実際に体験した方が早いんよ! という訳で、ちょぉティアナに抱きついてくれへんか?」

「?? はい、分かりました。 これで良いですか?」



 はやてに言われた通りにティアナに前から抱きつくスバルに満足げに頷くはやて



「ええ感じやで〜♪ およ、スバルは犬かぁ〜。 その感じは・・・・・・柴犬? 秋田犬?
どっちにしても忠犬っちゅう事かなぁ〜?」

「ちょっと、スバルいつまで抱きついてるつもりよ!? さっさと離れなさいよ! バカ!」

「うぅ〜ティ〜ア〜、ごめんなさ〜い・・・・・・機嫌直してよ〜」



 真っ赤な顔で乱暴にスバルを引き剥がすティアナに涙目で、しょんぼりとしながら謝るスバル



「スバルスバル、ちょぉこっちおいで! ティアナは照れてるだけやから、な?
それより、スバル犬耳と尻尾生えてるよ! 今日はティアナに触れると身体の一部が動物化するんよ♪」

「そうなんですか? あ、本当だ! 耳と尻尾生えてる・・・。 部隊長…これ元に戻りますよね?」

「大丈夫や! 明日になったら戻ってるから安心しぃ〜♪ ティアナとちょぉ六課のみんなを動物化しに行くんやけどスバルも一緒に来えへんか?」

「はい! お供します!」



 はやてとスバルのやり取りを呆れた表情で見つめるティアナ

 本当に・・・・・・・・・この二人は。 てか、ちょっとは気にしなさいよ!! ばかスバル!
 自分の身体に犬の耳と尻尾が生えてるのよ? 嬉しそうに尻尾パタパタ振っちゃって・・・・・・。



「・・・部隊長、次は何処(誰の所)に行くんですか?」

「ん〜? せやなぁ〜 とりあえず、エリキャロの所かなぁ〜 ティアナは何処か行きたいとこあるか?」

「いえ、特には・・・・・・・・・。 あ! フェイト隊長の所には行きたいです。」

「およ? 珍しいなぁ〜 何かあるん?」

「なのはさんに頼まれまして・・・・・・ちゃんと確認して来ないと後が怖いんで・・・。」



 ティアナ・・・・・・なんや苦労してるんやね。



「・・・・・・ほんなら、先にフェイト隊長んとこ行こか?」

「はい!」



 フェイトちゃん、オフシフトの時なのはちゃんと殆ど一緒に居るからなぁ〜 今何処に居るんやろ? 
 念話で確認取ってからの方がええなぁ。



【・・・フェイトちゃんちょっと用事あるんやけど、今ええかなぁ?】

【はやて? うん、ちょうど仕事終わって、部屋に居るからかまわないよ!
私がはやての所に行ったら良いかなぁ?】

【いや、わたしがそっちに行くから部屋に居ってくれたらええよ〜♪】

【分かった、待ってるよ。】



 フェイトの居場所を確認して歩き始めるはやて



「ティアナ、スバル、今確認取ったらフェイト隊長、部屋に居る言うてるから。 部屋に行こか!」

「「はい!」」

「なぁ・・・ティアナ、スバル。 フェイト隊長、何の動物になると思う?」

「そうですね・・・・・・。 ハンター系の動物っぽいですね」

「じゃあ、ライオンとかかな?」

「スバル・・・それ、フェイト隊長の髪の色だけで言ってるんじゃないでしょうね?」

「そうだけど? だめ?」

「別にだめって事はないけど・・・・・・。 安直過ぎない? どう思いますか、部隊長?」

「髪の色はあんまり関係ないかも知れへんね、なのは隊長もスバルも毛色ちゃう動物やしなぁ〜
なのは隊長は白猫でスバルは薄茶の柴犬、秋田犬・・・・・・まぁ犬種はどっちでもええんやけど。
その人の性質を表してる訳やしなぁ〜? ティアナの読みはええ線いってると思うんやけど」

「部隊長は何だと思いますか?」

「ん? せやなぁ〜 大穴で兎に一票!」

「「えぇ!?」」



 いや・・・二人ともなしてそないに驚くんや?



「部隊長・・・・・・それはないんじゃ・・・・・・。」

「ほんならティアナは何でそない思うん? 仕事ん時とプライベートとじゃ、全然違うんよ?
フェイト隊長、根っこの所は結構寂しがり屋で甘えん坊やねんで? ほんでうっかり屋さんでもある!」

「あの、フェイト隊長が!? 信じられないです・・・・・・。 だって・・・フェイト隊長って、しっかりしてて、
仕事が出来る執務官で皆の憧れですよ? うっかりなんですか??」

「普段はしっかりしてる方やと思うんよ? たまにうっかりやってまうんよ・・・主になのは隊長が
原因やったりするんやけどな? そこは副官のシャーリーがフォローしてるから噂にならんだけなんよ〜」

「・・・・・・フェイト隊長って本当になのはさんが好きなんですね。」

「フェイト隊長はなぁ。 昔から、なのは隊長しか目に入ってへんからなぁ〜 それよりや、ティアナはどうなん?
スバルの事好きなんちゃうんか?」

「はぃ? あの・・・・・・部隊長? 何でいきなりそんな事聞くんですか! さっきも言いましたけど、
私とスバルは付き合ってませんよ!!」

「せやから、質問変えたやん! わたしは好きなんかって聞いてるんよ?
スバルはティアナの事、好きやんなぁ〜?」



 ちょっ!? 部隊長!? なんて事、聞いてるんですか!



「はい! 大好きですよ♪」



 って、アンタも何答えてるのよ! 勿論、友達としてよね?



「ほぅ〜 せやったら、結婚式には呼んでや♪」

「はい、勿論です! 部隊長♪」

「ちょっと、待ちなさいよ!! ばかスバル! 誰と誰が結婚するって?
部隊長もスバルを煽って遊ぶのは止めて下さい!」



 真っ赤な顔で二人を止めに入るティアナ



「そないな事、言ったかて・・・・・・二人とも本当は好き合ってるのに、いつまで経っても、
くっ付けへんから焦れったくて。 それに・・・・・・ティアナ見てたら、友達思い出してつい、な?」

「友達ですか? って、部隊長!? 私は別にスバルの事……そんな風に思ってないですよ。」

「ん〜? その割には顔が真っ赤なんやけど? なぁ、ティアナ・・・少しは自分の気持ちに素直になったらどうや?
ナカジマ三佐も言うてたよ、お前さんにだったらスバルの奴をくれてやっても良い!
もう、家族みてーなもんだしな! って」

「いや・・・・・・そんな事、言われても・・・・・・・・・・・・・・・。 第一同性・・・・・・女同士なんですよ?」

「ティアナは分かってないなぁ。 愛に性別は関係ないんやで? そんな小さい事に縛られたらあかん!
自分の想いを貫く勇気が大切なんや!」



 ティアナとはやての周りに漂う真剣な空気をほのぼのとした声でぶち破るヴィヴィオ



「ぶたいちょう〜♪ こんにちは。」

「・・・・・・ヴィヴィオ? こんにちは♪ どうしたんや、迎えに来てくれたんか?」

「うん♪ フェイトママと一緒にぶたいちょうを向かえに来たよ!」

「ありがとうな〜 ヴィヴィオは優しいええ娘やなぁ〜♪」



 笑顔でヴィヴィオの頭を撫でるはやてに嬉しそうに、はにかむヴィヴィオ



「えへへ♪」



 ヴィヴィオに聞かれるとマズイので念話で話すフェイト



【はやて、遅いからヴィヴィオが向かえに行くって言い出してね・・・・・・ごめんね、今・・・立て込んでたよね?】

【ちょっと・・・な? ティアナとスバル、昔の・・・・・・付き合う前のアリサちゃんとすずかちゃんみたいやろ?
ちょぉ、焦れったくてな。】

【そうだね・・・・・・。 で、私には何の用事だったの?】

【ん、それな・・・わたしやなくてティアナなんよ。 フェイトちゃんに用事があるんは】

【そうなんだ。 はやて、ひとつ聞いても良いかなぁ?】

【ん? なに?】

【何で・・・・・・狸の耳と尻尾、付けてるのかな?】

【楽しいから? 使い魔みたく可愛いと思えへん?】

【いや、疑問系で聞かれても。 良く似合ってると思うけど・・・・・・。】

「ティアナ、フェイト隊長、来てくれたよ〜 そんな所で固まってんと、用事先に済ましたら?」



 部隊長・・・・・・。 好きで固まってた訳じゃなくて、元を正せば私を固まらせたのは部隊長ですよ?
 完全に棚上げですよね? もう諦めましたけど・・・・・・。



「フェイト隊長、ちょっとすみません・・・・・・。」

「あーーー! フェイトママうさぎさんだ〜♪」

「あっ・・・・・・。 本当だ、部隊長の予想通りでしたね」



 自分の頭に付いている兎の耳を触り、怪訝な表情のフェイトは、はやてを問いただす。



「・・・・・・はやて、これはどういう事かな? ティアナの言葉から考えて、はやてが原因だよね?
何が予想通りなのかな?」

「原因はわたしやけど、フェイト隊長を・・・・・・・・・なんや、めんどいなぁ、オフシフトやし普段通りでいくで!
フェイトちゃんを動物化させたんはティアナやで? わたしはただ、フェイトちゃんが何の動物になるか予測しただけや!」



 部隊長・・・・・・・・・ずるい。 確かにその通りだけど、なんか納得出来ないんですけど!



「・・・で、はやては、狸なんだね。」

「せやなぁ〜 何の動物になるかは、その人の性質を表してるから。
ほら、フェイトちゃんは寂しがり屋で甘えん坊やから兎やな♪」

「はやて? たとえそうだとしても、皆の前で言うのはどうかと思うよ?」

「ごめん、ごめん。 という事で、次行こか?」

「「あ、はい!」」

「ちょっ!? ちょっと待って! 次って何? はやて、何する気なの??」

「ん? 六課動物化計画?」

「いや、疑問系で言われても・・・・・・。 ってそんな事しないでよ! いくらJS事件が片付いた後で、
オフシフトだからって皆を巻き込んじゃ駄目だよ!!」

「まぁ、あれや! 気分転換の息抜きやん♪」

「駄目、駄目、駄目だからね!! はやての悪い癖だよ? 本当に昔から悪戯好きなんだから・・・・・・。」

「む・・・・・・。 フェイトちゃんこそ、皆の前で言うてるやん!」

「それとこれとは話が別だよ!」



 ヒートアップしてきたフェイトとはやてを注意するヴィヴィオ



「フェイトママ、ぶたいちょう、ケンカしちゃダメだよ!」

「え? ヴィヴィオこれは別にケンカじゃないよ?」

「そうやで? ケンカやないから、な?」

「む〜〜。 ケンカだもん!! 駄目だよ! ぶたいちょう、皆を困らせたら!!」

「いや、ちゃうよ? 困らせてなんかないんよ? 皆を楽しませ様と思てるだけやで?
ほら、スバルも楽しそうやろ?」

「ん〜〜。 でも、ティアナさんは楽しくなさそうだよ? フェイトママも困ってるよ・・・・・・」

「あ〜、せやけどな? 皆を楽しませるんも、部隊長の仕事やし・・・・・・。」

「そんな、仕事はないよ!!」

「ちょぉ、フェイトちゃん! 突っ込み早すぎるわ! アリサちゃん思い出すんやけど?」

「ハリセンで叩かれたいの? ごめん今、持ってないよ」

「いや、真面目に言われても困るんやけど? それは遠慮しとくとして…。
って事で次はエリキャロの所行こかと思ってるんやけど・・・・・・やっぱりあかん?」



 はやて・・・・・・諦め悪いよ? ヴィヴィオが怒らないうちにやめた方が良いよ。



「ダメだよ! ぶたいちょう! 皆困ってるんだからね」



 ヴィヴィオの言葉にたじろぐはやて。

 あれ? 誰かを彷彿とさせるような・・・・・・この感じは。

 フェイトに念話で確認をするはやて



【・・・・・・・・・フェイトちゃん。ヴィヴィオ、なのはちゃんに似てきてへんか? なんて言うか・・・・・・オーラとかが】

【そうなんだよ、だから・・・怒らしちゃ駄目だよ?】

「了解や・・・・・・。 ヴィヴィオ、分かった! もうせえへんから許してくれるか?」

「うん! 良いよ〜♪」



 ヴィヴィオの許しを得て、一安心するはやて



「部隊長、ティアナは動物化出来ないんですか?」



 静かやなぁ〜 と思てたら、そないな事考えてたんか? そら出来ん事ない思うけど。



「ん? なんやスバル、気になるんか?」

「はい!」

「同じ薬飲んでティアナの身体に触れると動物化すると思うけど?」



 はやてが見せた薬の瓶を受け取り一気に飲み干すスバル



「ちょぉ!? いきなり!? って、ちょぉ待って! スバル・・・・・・」

「え? もう触っちゃいましたよ?」



 スバルは行動が早すぎや! これは、なのはちゃんに直してもらわんとあかんなぁ・・・。



「ティアナは猫か・・・!? って、どちらさんで?」



 ティアナの姿を確認しようと振り向くとそこには、猫耳ツインテールの小学生くらいの美少女発見!? って誰? 六課の隊舎は関係者以外立ち入り禁止のはずやのに・・・・・・なして女の子が居るん?



「何を言ってるんですか、部隊長?」

「ティア??」

「なによ? ってスバル!?」



 美少女がティアナである事を確認して勢い良く抱き締めるスバル



「きゅ〜〜〜♪ ティア可愛いよ〜〜♪ なんでちっちゃくなってるの?」



 ちょっ!? スバル苦しいから………って、子供になってる!?



「そんなの私が知りたいわよ!! って、いつまで抱き締めてるつもり? 苦しいから下ろしなさいよ!」

「だって・・・・・・ティア可愛いんだもん! だめ?」



 なっ!? そんな事 言われても・・・・・・駄目なものは駄目なんだからね?

 色々聞かれると今後マズイ事になると判断して念話で話すティアナ



【・・・だめ・・・・・・。 部隊長にフェイト隊長、ヴィヴィオまで居るのよ? まして、ここは廊下なのよ?
時と場所を考えなさいよ!】

【だったら・・・・・・部屋でなら良いって事だよね? ティア?】



 ちょっ!! そんな事いってないわよ!?



【そういう意味じゃないんだけど・・・・・・・・・。】

【え? 何ティア? 聞こえないよ〜?】



 ただの独り言だから、聞こえなくて当たり前よ! 聞かせるつもりも無いんだし・・・・・・。
 とはいえ、頭ごなしに言っても逆効果だし・・・・・・何とかしないと、いつまでもこのままだし・・・。



【わかったわ、部屋で・・・・・・ちょっとぐらいなら・・・良いわよ・・・・・・。】

【ティア〜〜♪ 大好き〜〜♪】



 離すどころか、更に強く抱き締めるスバルにキレるティアナ



「〜〜〜〜〜っ!! いい加減に離しなさいよ! ばかスバル!! 話が違・・・・・・げふんげふん。 じゃなくて!
さっさと離しなさいよ! バカ!」

「ご、ごめん。 ティ〜ア〜 許して〜」



 ホント・・・・・・悪気がないから、質が悪いのよ・・・・・・。
 まぁ、嫌いじゃないんだけど・・・・・・スバルのそういう所。

 イチャつく二人を余所にフェイトとヴィヴィオとはやての三人がフェイトとなのはの部屋へと向かう・・・・・・・・・
 そして廊下に取り残されたのは、顔を真っ赤に染めて怒るティアナと涙目で謝り続けるスバルだった。


 そして、暫くの間『ちっちゃいティアナに泣いて謝るスバル、結局スバルはティアナの尻に敷かれてる』説が六課中の噂になったとか。





 終わる。。。

  
光風霽月の月星さんの
「ティアナ祭2010〜全てのティアナファンへ捧く〜」参加しました〜!!


初短編な上に初のスバティア。

あぁ、うん。 ギャグ系を目指したんだけど、やり過ぎたというか・・・・・・はやてさんが主役みたいな感じに・・・・・・
あれ? そんなつもりはなかったのに。
修行が足りないなぁ。

最近、気付いた事がひとつ。 ウチ・・・話を〆るのが苦手な感じですwww

結局、この短編も無理くり〆た感じになってるしww

まぁ・・・これ以上、話広がっても困るからね。
〆切がねwwwww ←時間がないんだ!!

拍手が多いと続き的な話書くかもよ?
小さいティアナを部屋で散々弄りたおす、スバルとかwww 嬉しいくせに嫌がるティアナとかwwww
てか、そっちが普通メインだよねww ←いや、前振りって必要だしw(ГωГ)チラチラ


【2010年10月8日〜21日】 著

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