はやてちゃんから受け取ったヴァンパイアの牙で作られたピックの様な物で指先を刺すと、傷口から血がどくどくと流れ出てくる。
全く痛くないから不思議な感じがする。
「は、はやて、口だけじゃなくて全部外してほしいんだけど!!」
「ん〜、それは無理な相談やなぁ〜」
「っ!? わ、私嫌だよ!! 飲まないし、吸血の契約も交わさないからね!!」
「ホンマに往生際悪いなぁ〜、悪い様にはせんから大人しくしぃや!」
「はやてちゃん、それ悪役の台詞だよ」
「え? そうなん?」
「まぁ、端から見たらわたし達悪役にしか見えないと思うの」
「まぁ、フェイトちゃんが吸血出来る様になるんなら悪役にでもなったるけど?」
「はやてちゃん、優しいね」
「そんな事あらへんよ、現にフェイトちゃん本気で嫌がってるしなぁ〜」
「あはは、フェイトちゃんも心では分かってると思うし大丈夫だよ」
「そうやとええんやけどなぁ〜」
喋れる様になった途端拘束を解いてほしいと訴えるフェイトちゃん。
そんなフェイトちゃんに対して悪役の様な台詞を言うはやてちゃん。
うん、そう言っちゃうのは分からなくもないんだけど、どう聞いても悪役の台詞にしか聞こえないと思う。
それもフェイトちゃんを思っての事だから、わたしは協力するんだけど。
「さて、フェイトちゃん。こっちを向いて、お口開けてくれるかな?」
「……嫌だ」
「えっと、なのはの血は嫌?」
「ぅ……そういう言い方は、ずるいよなのは」
「だってフェイトちゃん血を飲むの嫌なんでしょ? こうでも言わないとこっちにも向いてくれないし」
「う、ん。だって気持ち悪くて吐いちゃうし、人間の事食べ物みたいにしてるみたいで嫌だ!」
「優しいね、フェイトちゃん。でもね、わたし達人間も生きる為に動物とか魚とか食べてるんだよ?
生きる為には仕方がないんだから、血を飲むくらいでそこまで気に病まないで」
「で、でも……」
「考え方だよ、フェイトちゃんはわたし達人間の事を食べ物とか思ってないんだよね?」
「あ、当たり前じゃないか! 種族は違うけど命の重さは同じだよ!
言葉も通じるし心を通わす事も出来る。分かりあえるのにそんな風に思うなんて私は嫌だよ!
そんな歴史を繰り返す様な事嫌なんだ!」
フェイトちゃんが血を飲めないのは精神的な事が原因なのかもしれない。
優しいが故に思い詰めて、それで飲んだ時に拒絶反応が出るんじゃないかな?
悲痛に顔を歪めながら訴える姿にそうじゃないという考えは崩れ落ちた。
昔どんな歴史があったかは知らないけど、やっぱりそうなんだね、優し過ぎるよフェイトちゃん。
「だったら、そんなに気にしなくても良いんじゃないかな?」
「え?」
「そう思ってくれるんなら、例え血を飲んだとしてもフェイトちゃんが人間を食べ物と思ってない事は変わらないよ?
それとも飲んじゃったら食べ物としか思えないの?」
「ちっ、違っ!? そんな事無い!!」
「だったら、大丈夫だよ!」
「なのは。でも、怖い。血を飲んでしまったら何かが壊れそうな気がして怖いんだ……」
「じゃあ、なのはがずっとそばにいるよ! 怖いならずっとそばにいてあげる。
不安なら抱きしめてあげる! だから少しでも良いから勇気を出して飲んでみて」
「な、のは。私ヴァンパイアだよ?」
「フェイトちゃんはフェイトちゃんだよ! ヴァンパイアでも、人間でも、わたしはフェイトちゃんが大好きだよ♪」
フェイトちゃんが囚われてる負の連鎖、わたしが溶かしてあげるよ!
わたしの心からの叫びに戸惑うフェイトちゃんは自分は化け物だよ? という様な視線で見つめてくる。
フェイトちゃんが自分の事を化け物だって思ってるなら、今はそれでもいい。
ホントは良くないけど、わたしがそう思わないようにしてあげたら良いんだから!
だから、わたしはわたしの思いの丈をぶつけるだけ。
「な、なの……」
「えっと、だからわたしの血飲んでくれる?」
「〜〜っ!?」
「フェイトちゃん?」
「〜〜っ!?」
血を飲む事に怯えているフェイトちゃんを出来る限り怖がらせない様に、優しく話し掛ける。
だけど予想外に声にならない叫びを上げるフェイトちゃんに疑問符を浮かべながら首を傾げてしまう。
顔が赤いし視線泳いでるし、どうしたんだろうフェイトちゃん。
「ご、ごめん……今はちょっと無理かも」
「ふぇ? どうして?」
「は、はやて、もう逃げないからこれ解いてよ」
「あぁ、うん。そやね、分かったわ」
視線をあさっての方向に向けたまま今は無理だと言うフェイトちゃん。
ますます訳が分からず、頭の上に増えていく疑問符が重たく感じてしまう程だ。
増える疑問符と格闘していると、逃げないからバインドを解いてほしいと訴えるフェイトちゃん。
その訴えを認め、さっきまで絶対解こうとしなかった拘束をあっさり解いてしまうはやてちゃん。
でも、なんで二人とも、あさっての方に視線を逸らすのかな?
「なのはちゃん、天然なんやね……」
「はやて、狙ってやってないってこんなに怖かったんだね」
「わたしも想像以上やわ」
「あの〜、二人とも何でなのはから視線を逸らすのかな?」
「何でもないよ気にしないで!」
「せや、なぁんもないよ〜」
「怪しい、二人だけずるいよ!」
「なのはちゃ〜ん、フェイトちゃんが自分の牙で吸血するって言うとるけどええか〜?」
「ふぇ?」
「ちょっ、はやて!? 何言ってるの!?」
「フェイトちゃん、本当?」
「うぐっ!? いや、その……」
二人してなんだか失礼な事を言ってる気がするのは気のせいかな?
そう思って睨んでいたら、フェイトちゃんが自分から吸血したいと言ってると言うはやてちゃん。
なんだか、はやてちゃんに上手く誤魔化された気がするけど、まぁ良いかな。
慌てるフェイトちゃんに期待の眼差しで見つめると、狼狽えだす。
なんとか誤魔化そうと、あーとかうーとか言っている姿が何だか可愛い。
否定しないって事は、もう嫌だとは思って無いみたい。
「ねぇ、フェイトちゃん。ちょっとお口開けてくれる?」
「え? なんで?」
「良いからお願い」
「なのはが言うなら別に良いけど」
「ありがとう、フェイトちゃん♪」
疑問符を浮かべるフェイトちゃんは、言われた通り口を開ける。
少し開いた瞬間を見計らい血の出ている指を差し込んだ。
まさか指を入れられるとは思ってなかったらしく、大きく見開かれた紅い瞳が動揺の色に染まっている。
「……甘い」
「フェイトちゃん?」
「え? な、何なのは?」
無反応のフェイトちゃんの口から指を抜き取ると、ぽつりと呟かれる。
甘いってなんの事だろう?
まじまじと見つめる視線が、わたしの指に固定されている。
えっと、甘いって、もしかしてわたしの血?
わたしの呼びかけで、慌てて指から視線を外すフェイトちゃん。
というか、フェイトちゃんいくらなんでも見過ぎだと思うの。
「いや、何じゃなくて指見過ぎだから、もっと飲みたかったの?」
「ちっ、違っ!? 別にそんなんじゃないよ!!」
図星を指され真っ赤に染まった顔で、否定するフェイトちゃん。
凄く分かり易い、肯定してるも同然の態度に思わず笑ってしまうのは仕方がないよね?
「フェイトちゃん分かり易すぎ。良いんだよ? 飲みたいなら飲みたいって言っても。
というか、フェイトちゃんは遠慮し過ぎなの! もっと我が侭言っても良いんだからね!!
いや、寧ろ言わなきゃ駄目なの!!」
「えっと、なのは言ってる事が無茶苦茶だよ。というか何で笑ってるの?」
「いやいや、フェイトちゃんが分かり易いからやろ?」
「はやてには聞いてない、って言うか私貶されてない?」
「気のせいやよ〜♪」
笑ってるわたしを疑問に思い問うフェイトちゃん。
その疑問に瞬時に答え、わたしの気持ちを代弁するはやてちゃん。
何ではやてちゃんが答えちゃうの? というかなんでそんなに的確に答えられるの!?
そんなわたしの心情を余所に、はやてちゃんにからかわれて遊ばれてるフェイトちゃん。
うん。知り合って間もないんだけど、二人の関係性が何となく分かった気がする。
フェイトちゃんってもしかしなくても、いじられキャラ?
「気のせいじゃないと思うんだけど……」
「フェイトちゃん、はやてちゃんの事よりなのはの質問に答えてほしいの」
「え? し、質問って?」
「むぅ、忘れちゃうなんて酷いよ〜」
「ちっ、違うよ! 忘れてなんかいないよ!! ただなんか色々言ってたから、どれの事なのか分からなくて」
はやてちゃんの態度に納得出来ずに、ジト目で睨むフェイトちゃん。
はやてちゃんばっかり構われると、わたしとしては少し面白くない訳で。
わたしの言った事をすっかり忘れてるみたいだし、頬を膨らませてそっぽを向くと慌てて言い訳するフェイトちゃん。
「ほんとに?」
「ほんとだよ!」
「じゃあ、なのはと吸血の契約交わしてくれる?」
「うん! 勿論だよ……ぇ? な、のは?」
首を傾げて問うわたしに、握り拳で叫ぶ様に答えるフェイトちゃん。
この状態なら何を言っても嫌とは言いなさそうだと思って。
絶対にしないと言っていた吸血の契約を交わしてくれると聞くと、勢い良く頷くフェイトちゃん。
だけど、言い切った後に自分が何を言ったのか分からないみたいに疑問符を浮かべている。
「言質を取ったよはやてちゃん!」
「GJや、なのはちゃん♪」
「え? え? ちょっと待って、はやて、なのは!?
今のは違うんだ、つい言っちゃっだけでーー」
「フェイトちゃんは、なのはとは嫌?」
「あぅ、そ、そんな事はないけど……」
「じゃあ吸血の契約交わしてくれるよね?」
「で、でも私、血が飲めないんだよ?」
「でも、さっきわたしの血飲んだよね?」
「いや、飲んだというか、舐めたと言った方が正しい量だったんだけど……」
してやったりなわたしと親指を立てGJと叫ぶはやてちゃん。
ハイタッチをして盛り上がるわたしとはやてちゃんに慌てて前言撤回しようとするフェイトちゃん。
言質は取ったけど無理強いは良くないよね? 嫌かと聞くとたじろぐフェイトちゃん。
血我飲めないから無理だというけど、さっきわたしの血飲めたよね?
「というか血ぃ舐めたのに何ともないんフェイトちゃん?」
「え? 少し身体が温かいかな?」
「それだけ? 吐きそうとか、気持ち悪いとかは無いん?」
「うん、ないけど」
「今までは舐めただけでも拒絶反応出てたのに?」
「あ、言われてみればそうだね」
「何のほほんとしてんねん! 早く契約交わしてまえ!!」
「は、はやて!?」
「フェイトちゃんの身体拒絶反応全く出てへんやん!
なのはちゃんを逃したらフェイトちゃん生きていかれへんよ!」
今まで舐めるだけで拒絶反応が出てたフェイトちゃんの顔をまじまじと見るはやてちゃん。
問診の様に確認するはやてちゃんは、拒絶反応が全く出てないのに、のほほんとしているフェイトちゃんを一喝する。
「で、でも身体が温かいし、それにそもそも、そこまでして生きたいとか私思ってないんだけど……」
「それは血ぃ飲んで、ちゃんと魔力に変換されてるからや! 拒絶反応やない!
ってか、まだそんな事言ってるんか!! ちゃんと生きなプレシアさん達が悲しむって言ってるやろ!!」
「うぅ、それはそうだけど」
未だにネガティブな事を言うフェイトちゃんに本気で怒鳴るはやてちゃん。
「いつまでも逃げてばっかりやなくて少しは立ち向かってみぃ!!」
「だけど、はやて……」
「そんなんやからヘタレって言われんねん!!」
「私ヘタレじゃないよ!?」
「じゃあちょっとは根性見せぇや!!」
「ふぐっ!? そんな事言ったって……」
「取り敢えずフェイトちゃんは、さっさと仮契約交わし!
わたしはプレシアさんに連絡入れるから」
「ま、待ってよ、はやて!?」
「あぁ、もう! いい加減覚悟決めぇや!!
子供やないんやから、仮契約のやり方くらいわかるやろ?」
「それは知ってるけど。で、でも――」
ヘタレと言われ即座に否定するフェイトちゃん。
だけど、はやてちゃんはヘタレな言動しかしないフェイトちゃんに対して、呆れた様に吐き捨てる。
「なのはちゃんには面倒掛ける事になるけど、暫くはフェイトちゃんと寝食を共にして貰うことになると思うんよ。
ええかな?」
「は、はやて!? 何言っ――」
「うん、わたしは構わないよ♪」
「なのはっ!?」
「それとフェイトちゃん全く飲んでへんかったから、熱出ると思うけど寝かせるだけで大丈夫やから」
「分かった、任せて!」
「うぅ、話くらい聞いてくれても良いのに……」
もういいと言わんばかりに、無視して話を進めるはやてちゃん。
そしてスルーされて本気で凹むフェイトちゃん。
「ごめんね、フェイトちゃん」
「なのはは悪くないよ。はやてが横暴なだけだもん」
だもんって、拗ねてる。フェイトちゃん拗ねてるよね?
可愛いなぁ〜♪ 抱き締めちゃ駄目かな〜?
「でも、無理矢理言質取った様なものだし。
嫌なら嫌って言って良いんだよ? フェイトちゃんが嫌な事わたししたくないし」
「べ、別に嫌なんかじゃないよ! 私なのはの事好きだし……」
最後の方は消え入りそうな声で呟くフェイトちゃん。
そっか、好きだと思ってくれてるなら抱き締めても良いよね?
自己完結したわたしは、フェイトちゃんをぎゅっと抱き締める。
「なななななのは!? えと、あの、なんで!?」
「ぷっ、フェイトちゃん焦り過ぎだよ〜」
「だだだだって、なのはぁ〜」
わたしの腕の中でパニックに陥るフェイトちゃん。
真っ赤な顔で狼狽え、挙動不審に視線を泳がせている。
うん。予想以上の反応で少し可笑しいかな? けど嫌がっては無いよね?
「フェイトちゃん可愛いから抱き締めたくなったって、駄目かな?」
「うぅ、だからそういう言い方はずるいよ、なのはぁ〜」
「にゃはは、ごめんねフェイトちゃん。でも、嫌だったらもうしないから」
「い、嫌なんかじゃないよ。恥ずかしいけど……」
「じゃあ、またしても良い?」
「なのはがしたいのなら、良いよ」
「わぁおー、なのはちゃん大胆やなぁー、てか二人ともいちゃつくんはええんやけど、わたしの事忘れんといてな?」
わたしの胸に顔を埋めながら良いと言うフェイトちゃん。
恥ずかしそうに顔を伏せる姿が可愛いなと、頬が緩む。
プレシアさんと連絡が終わったはやてちゃんが、なんとも言えない表情で話しかける。
ごめん、すっかり忘れてたなんてとても言えない。
「あ、うん。ごめんねはやてちゃん」
「ええよええよ、わたし馬に蹴られたないし。そのままでええから、なのはちゃんは家族に連絡いれてくれたら済む事やしなぁ〜」
「ふぇ? 連絡って?」
「ん〜、本人の意志や言うてもなのはちゃんまだ未成年やし、家族にも了承を得んまま勝手に契約ってのも頂かれへんやん!
まぁ、仮契約は一時的なもんやから問題はないんやけど」
謝るわたしにニヤニヤと含みある笑みを浮かべるはやてちゃん。
何を考えてるのか分からないけど、怖いから敢えて聞かない。
だけど、表情とは裏腹に契約の事を話したいから、お母さん達に連絡してほしいとの事。
意外にしっかりしてるんだねはやてちゃん、わたし誤解してたよ。
「はやてちゃんって結構しっかりしてるんだね、同い年くらいなのに」
「……なのはちゃん、なんや勘違いしてへん?
確かにわたしら見た目こんなんやし、人間で言うと同い年くらいやと思うけど。
バンパイアで言うと大人なんよ? 軽く数百年は生きとるしなぁ〜」
「そ、そんなに!?」
「うん、まぁそんな事はええからちゃっちゃと仮契約してな?」
しっかりしてると思ったら数百年生きてるとか、やっぱり人間と違うんだなぁ〜と驚いてたら。
仮契約を早くしてほしいと急かされた。
「あ、うんそうだね。えっと、じゃあフェイトちゃんわたしどうしたら良いのかな?」
「えっと、その、届かないからここに立ってもらえると助かるんだけど」
「ここで良いの?」
「うん、そこでじっとしててほしいんだけど良いかな?」
「うん、大丈夫だよ」
「えっと、その、す、直ぐ済むからね」
「うん、いつでも良いよ」
「い、痛くならない様に噛む前に少し舐めるけど良いかな?」
「うん、良いよ」
「えっと、じゃ、じゃあ――」
「ええからさっさとせい!! 焦れったいねん!!」
「そ、そんな事言ったって私初めてなんだから、急かさないでよ」
「そんなんしてたら日が暮れてまうわ!! 早くせなプレシアさんもアリシアちゃんも来てまうよ?」
「っ!? わ、分かった直ぐ済ますよ」
ソファーの前に立ってほしいと言うフェイトちゃんに従い移動する。
事細かく確認するフェイトちゃんに業を煮やして突っ込むはやてちゃん。
ダメ出しをするはやてちゃんに急かさないでほしいと訴えるもプレシアさんとアリシアちゃんの事を持ち出され、慌てるフェイトちゃん。
「んっ……」
「――っはぁ。えっとこれで手順はあってるよね、はやて?」
「まぁ、9割はな。吸血し終わったら後が残らん様にせんとあかんやろ?」
「あ、そうだった。ごめんなのは、また舐めるよ」
「ふわぁ!? ふぇ、ふぇいとちゃん!?」
「あ、ご、ごめん……」
ソファーに立ったフェイトちゃんがわたしの両肩に手をおき、首筋を舐めてから牙でそこに噛みつく。
言われた通り痛みはないんだけど、なんだか変な感覚がする。
言い表せない感覚に放心していたら、首筋に生暖かい感触が走り思わず後退りしたんだけど。
生暖かい感触の犯人のフェイトちゃんは、わたしの叫び声を聞いて、しゅんと落ち込み謝る。
一体何なの? 訳が分からないよ〜
見かねたはやてちゃんがわたしに耳打ちで説明してくれた。
「ご、ごめんフェイトちゃん! わたしちょっとぼーっとしちゃってて聞こえてなかったの」
「怒ってないの?」
「うん、フェイトちゃんは悪くないし、ごめんねはなのはの方だから」
今にも黒いオーラを背負いそうなフェイトちゃんに慌てて謝ると、涙目で見上げてくる。
というか、わたしが言えた事じゃないけど、何もそこまで落ち込まなくても。
「良かった。なのはに嫌われたのかと思ったよ」
「そんな事くらいで嫌いにならないよ〜」
「えっと、まだ仮契約なんだけど、これからもよろしくで良いんだよね?」
「うん、フェイトちゃん♪」
涙目から回復したフェイトちゃんが戸惑いながら左手を差し出した。
握手で良いんだよね? 笑顔で握り締めると嬉しそうに笑うフェイトちゃん。
うん、やっぱり可愛いなぁ〜♪
その後、はやてちゃんの言う通り熱を出したフェイトちゃんを介抱してたら、お母さん達が帰ってきたり。
事情を説明してたら、プレシアさん達がやって来たり。
予想外だったのは、お母さんとプレシアさんが幼馴染みだったって事。
その事がとんとん拍子で話を進めて、フェイトちゃんが落ち着くまで家で預かる事になったり。
わたしとフェイトちゃんの本契約はフェイトちゃんが落ち着いてからって事になって。
これから始まるフェイトちゃんとの生活にどきどきわくわくです。
終わり
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最近ぐだぐだがデフォですww
ごめん。力尽きた(汗
取り敢えず、導入部分的な感じで終わらした。
なのフェイ勉強がてらパラレル的なSS量産していきたいな←希望w
【2012年2月15日〜17日 20日】 著
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