クリスマスの夜に……。







 無限書庫にやって来る途中で意外にモテモテな、はやてを目撃してしまった
 ヤキモチ焼きな、小さな司書のヴィヴィオが家政婦は見た! 的に、物陰から はやてを監視中


 むぅ………。
 はやてさん……凄く笑顔なんだけど、どういう事なの?


 ストーカーよろしく、後をつけてたヴィヴィオも流石に執務室に入って行った
 はやてを見て諦め、無限書庫に向かった。



「むぅ〜〜〜 ユーノ司書長、何か手伝える事ありますか?」



 不機嫌オーラ全開で、話し掛けるヴィヴィオに苦笑いで返すユーノ



「あはは、機嫌悪そうだね? 何かあったの?」

「うぅ〜〜〜 はやてさんが………モテモテで、凄く笑顔だった。」

「あぁ、はやて人気あるからね。 でも……凄く笑顔だったんだよね?
それだったら…仕事使用だと思うけど」

「えぇ〜〜〜 でも私……あんなに笑顔のはやてさん見た事ないよ!」

「だからだよ! 素のはやては、そんな笑い方しないからね!
作り笑顔だから、見た事なくて当たり前なんだ!」

「う〜〜ん。 でも………」

「分かった。 はやてから来てる急ぎの仕事なんだけと、ヴィヴィオに任せるよ!
終ったら大至急はやての所に持って行ってくれるかな?」

「…良いの? 私がやっても?」

「大丈夫、ヴィヴィオなら安心して任せられるよ!
だから…早く終わらせて、はやてに会ってきたら良いよ。」

「ありがとう、ユーノ司書長♪」



 はにかむヴィヴィオに笑顔で返すユーノ



「どういたしまして。」



 ユーノ直伝の検索魔法で、調べ物を高速で終わらせ足早に、はやての執務室に向かうヴィヴィオ


はやてさん……早く会いたいなぁ〜♪




 中に入る許可を取る為、中と通信しても反応が帰って来ない。
 仕方なく、身分証をスキャンして扉を開けて中に入るヴィヴィオ



「どこかに出掛けてるのかなぁ?」



 一人呟くヴィヴィオは執務室のデスクに突っ伏し眠っているはやてに気付く



「……はやてさん、寝ちゃってたんだ……。」



 起こさない様にそっと、近付くヴィヴィオはデスクの上にラッピングされた小さな箱に気付く


  ………これって、もしかして……クリスマスのプレゼントかなぁ〜?
 むぅ……。 はやてさん、誰から貰ったの?


 暫く小さな箱を睨んで居ると、はやてが眠たそうに目を擦りながら起きる



「………ん〜〜〜。 あれ? ヴィヴィオ?
来てたんやったら起こしてくれて良かったのに」

「あんなに気持ち良さそうに眠ってるのに起こせないよ?
それより………このプレゼントは誰から貰ったんですか?」



 不機嫌オーラ全開のヴィヴィオに少し怯む はやて



「えと………ヴィヴィオさん?
これは別に…貰った物やないんやけど…。」

「むぅ……。 じゃあ、廊下で凄く笑顔だったのはどうしてですか?」



 見てたん? 凄く笑顔って……あれは仕事使用やからやねんけど…。
 不味いとこ見られたなぁ〜
 こない怒ってたら余計渡し辛いんやけど…。



「ヴィヴィオ……あれは…仕事使用やから、凄く笑顔なんよ?」

「………だって、告白されてたんだよね?
ずっと笑顔だったし……モテモテだね、はやてさん…。」

「いや……だから、ちゃうねん!
まぁ、告白はされてたよ? せやけど、断ってたんやし……そない怒らんでも…。」

「むぅ……。 だったらそのプレゼントは何なんですか?」

「え!? これ? あ〜〜〜
これは…その……その内分かるから……。」

「教えてくれないの? やっぱり貰った物なんだ!!」



 機嫌が直らないヴィヴィオに諦めて白状する はやて



「分かった! 教えたらええんやろ!
これは…わたしがヴィヴィオに、あげる為に買ってきたクリスマスプレゼントや!!」

「ふぇ!? ………あれ? 私に?」

「……そうや…。 折角後で、ビックリさせようと思たのに……。」

「………ごめんなさい。」

「まぁ…デスクの上に置いてた、わたしも悪かったし……
もぅ、ええよ。 後で、渡すつもりやったしなぁ〜」

「はやてさん、開けてみても良いですか?」

「え!? 今、開けるん?」

「……ダメかなぁ?」

「……駄目やないけど………出来れば後で開けてほしいんやけど」

「…………そっかぁ〜 じゃあ、後の楽しみだね♪
えへへ、はやてさんありがとう! 大好き〜♪」



 あれ? 今日は、やけに素直やなぁ〜



「………ヴィヴィオ…ちょぉ、こっち来てくれる?」

「うん! なぁに? はやてさん♪」



 デスクを挟んで向かい側に居たヴィヴィオがトテトテと、はやての側に移動する
 その間に執務室の扉と通信を厳重にロックする はやて



「何で鍵閉めちゃうんですか??」

「いや……邪魔が入ったら…嫌やしなぁ〜」

「………邪魔? 何かするんですか? はやてさん、お仕事中だよね?
私、はやてさんが依頼した急ぎの調べ物が終わったから持ってきたんですけど……。」

「あれ? ヴィヴィオがやってくれたん? ありがとう、助かるわ!」



 ヴィヴィオに資料を渡され受け取る はやては、それを引き出しに仕舞う。



「はやてさん?」

「あぁ。 ごめんなぁ〜 今は休憩中やから大丈夫や!
まぁ…仕切り直ししたくてなぁ。
ヴィヴィオ、メリークリスマス! プレゼント受け取ってくれるかな?」

「は、はい!!」



 少し頬を赤く染めて、プレゼントを差し出す はやてに受け取るヴィヴィオ



「はやてさん……良いの? 後でくれるんじゃなかったの?」

「ん〜〜〜。 まぁ…ええねん! あんまり期待されても、気に入って貰えるか自信ないし……。
急ぎのデータが来たんやったら…わたし今日は、このまま残業やしなぁ〜
後にしたら渡されへんもん!
なのはちゃんには悪いけど……行かれへんって連絡入れとかんと……」

「……はやてさん、来ないの?」

「堪忍なぁ〜 これ終わらさんと無理なんよ。」

「私も、はやてさんにプレゼント用意してたんだけどなぁ〜」

「え!? ホンマに?」

「だけど……。 それじゃあ、無理だね?」

「うぅ……。 明日…でもええ?」

「駄目だよ! だってクリスマスプレゼントだもん!
それに……今日じゃないと無くなっちゃいますよ?」

「…………せやって、終わらさんと無理やし……。」

「しょうがないなぁ〜 じゃあ、後で持ってきてあげますよ!」

「えっ!? ええのん?」

「うん! 良いよ、はやてさんお仕事だもん!
しょうがないよね。」

「…ヴィヴィオ………もぅ一つプレゼントあるんやけど……受け取ってくれるかなぁ?」

「うん?」



 ヴィヴィオの返事を聞き。
 はやては、そっとお互いの唇を重ねる
 触れ合うだけの……優しいキス。
 唇から伝わる熱が二人の頬を赤く染めていく



「……ヴィヴィオ、大好きや。」



 唇が離れて、はやてさんから言われた言葉は……私がずっとほしかった言葉だった。
 だけど…私の口から出た言葉は、ちょっと間が抜けた言葉
 だって……いきなりキスされたんだよ? ……嬉しいを通り越して…テンパっちゃうよ。



「は、はやてさん……。 顔真っ赤だよ?」

「……ヴィヴィオも同じやん!
ファーストキスなんやし…赤ならん方がおかしいで?」

「あぅ………。 だって……はやてさん…まさかキスするなんて思わなかったから……。」

「本当は、もうちょぉヴィヴィオが大きくなってからの方がええんやけど
クリスマスやし………告白の意味も含めてな?」

「………えと…。 それじゃあ……その…」

「ん? あぁ、ごめんなぁ〜 えらい待たせてしもたやんなぁ。
ヴィヴィオ、わたしと付き合ってくれるやろか?」

「こ、恋人としてですよね?」

「も、勿論や!」

「はやてさ〜ん♪ 大好き〜♪」



 嬉しそうに抱き付くヴィヴィオに、嬉しいんだけど恥ずかしい。
 そんな複雑な顔になる はやて
 その時…勢い良く扉を開けて飛び込んで来る、リイン



「はやてちゃん!! 何で通信をロックしてるんですか!
みんな連絡が取れないって、大変だったんですよ!
仕方なく、私が来る羽目に……来たら来たで、扉までロックしてるなんて…。
いくら休憩中だからって…通信をロックするのは止めてほしいです!」

「リ、リイン!?」

「リインさん?」



 ヴィヴィオに抱き付かれたまま驚く はやてと頭を傾げ、きょとんとするヴィヴィオ
 言いたい事を一気に捲し立てた、リインは二人の姿を確認して慌てる



「……あれ? はやてちゃん、ヴィヴィオ?
ごめんなさいです! みんなの事はリインがやっときますから、ごゆっくりです。」



 慌てて引き返すリイン



「ちょぉ!? リイン待ちぃ!! ストップや……」



 はやての言葉が届く前に脱兎の如しスピードで執務室を飛び出すリイン



「………あぁ〜〜〜。 どないしよ……。
後で、内々だけに報告しようと思てたのに…」

「えと、私は牽制の意味も込めて大々的に知ってほしいと思いますけど♪」

「うぅ…………。」



 リインに口止めしとかんと……。
 なのはちゃんとフェイトちゃんには、ちゃんと直接報告せんとなぁ〜


 項垂れる はやてを他所に、嬉しそうに はやてに抱き付いたまま、ご機嫌なヴィヴィオ
 苦笑いの、はやては念話でリインに何度も何度も口止めをする羽目になったとさ………。





 おわる



必死のパッチで書いたのですよww
いやぁ〜 急に思い付いたものでw
クリスマスにその手のネタのSS良いんじゃないかなぁ〜 的に!
そう思ってしまうと異様に書きたくなってくる……不思議だよねw

タイトルは、まぁ……てんのタイトルセンスはアレなんでww
あんまし突っ込まないで(汗)

なにはともあれ、甘々に出来ていれば何でも良いんだ!


【2010年12月24日 25日】 著



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