ヤキモチ







「…………はやて??」



 部屋の隅で小さくなっている彼女を発見して後からそっと抱き締めると、腕の中で“ビクッ”っと震える。
 捨てられた仔犬の様な反応に苦笑いになりつつ、そっと頭を撫でると………耳まで真っ赤に染っている。



「どうしたの? そんな所に居るから身体冷たくなってるよ」



 ずっと沈黙していた はやては私の言葉にたどたどしく話し始めた



「…………せやって……わたし……ふぇ…ふぇいとちゃんに……酷い…事………い…言って…もうたし………」



 今にも泣き出しそうな瞳で、話す はやてを強く抱き締める



「大丈夫、気にしてないよ!」

「でも…………」

「わかってるから、ちゃんとわかってるよ!
本心じゃないって、はやてはヤキモチやきなんだって事。」

「うぅ………。 せやけど………」

「それにね、妬かれる方は結構嬉しいんだよ?
だって、私の事を大好きだって言ってくれてる様なものだし。
一種の愛情表現だと思うんだけどな?」



 私の言葉に、今にも湯気がでそうなくらい顔が真っ赤に染まる はやて
 そういう照れ屋な所も大好きだよ♪



「うぅ………………。 でも、ごめん。
本心やなくても、大嫌いやなんて言ってもうて……本当は…大……」

「大? 大、何かなぁ?」



 後ろ向きだから表情は見えないけど、たぶん……いや、絶対意地悪な笑みを浮かべているフェイトちゃん。
 わかってていっつも言わすんやから、質が悪い! その上、それを指摘しても……



「はやての口から聞きたいんだ、それに……はやての反応が可愛くて、つい♪」とか言う始末。
正直、フェイトちゃんには一生勝てる気がしない。

「……………だ、大好きやのに……」

「は〜やて♪ 私も大好きだよ〜 世界で一番愛してるよ!」



 仕方なく、正直に気持ちを伝えたら、嬉しそうに声が弾むフェイトちゃん
 そんな事まで聞いてないのに、そういう事をさらっと言わんといてほしい……
 よう照れずに…あ、愛してるなんて言えるわ……。

 これ以上、無理なくらい赤く染まった はやては聞こえない様に溜め息を漏らす。
 ご機嫌なフェイトは、はやての耳元に口を寄せ、囁く様につぶやく



「………ねぇ、はやて…キスしても良いかな?」

「っ〜〜〜〜〜〜!? な、なん、で……聞くん!?
いっつも聞かんとするやんか!」

「え? だって、怒るでしょ? 「心臓に悪いからいきなりせんといて! フェイトちゃんのアホ!」
って言ってたから、聞いたんだけど……。」



 うぅ………。 フェイトちゃんのアホ〜 聞かれる方が恥ずかしいんや!
 そういう意味で言ったんやない!



「……………………………」

「…はやて? 沈黙は同意と受け取っても良いんだね?」



 無言のわたしを勝手に解釈して、そんな事を耳元で囁き、息を吹き掛けるフェイトちゃん



「ひゃっ!? み、耳に息吹き掛けんといてぇや……ふぇ、ふぇいとちゃんのアホ〜!」

「ん? 耳弱いんだね♪」



 フェイトちゃんが纏う空気が一瞬にして変わるのが分かる、
 まるで新しいおもちゃを見つけた子供の様に、生き生きしている。
 危険を感じて、逃げようと身動ぐけど……強く抱き締められているため逃げられない!
 そんなわたしの抵抗を奪う為か、ただ単に反応を楽しみたかっただけなのか?
 徐にわたしの耳を舐めるフェイトちゃん



「ひゃう!? にゃ、や、止め……ふぇ…とちゃ……嫌や……」

「嫌? ホントに? 気持ち良さそうだったけど?」

「っ〜〜〜!? ふぇ、ふぇいとちゃんのアホ! スケベ! 変態!」

「ふ〜ん。 そんな事言っちゃうんだ? だったら、そういう事しようなぁ〜♪」

「いや…あの……本気で言うたわけや……にゃ!?」



 わたしの言葉が勘に障ったみたいで、弁解していたわたしの身体を反転させて押し倒すフェイトちゃん
 目付きが獲物を狙う肉食獣の様なんやけど!?
 ヤバイと警笛を鳴らす心、だけど…体格差がある以上、本気を出されるとわたしの力じゃ、どうにも出来へん。



「…はやて、良いよね?」

「………良くない!! 良いわけないやん! どう解釈したらそうなるん、フェイトちゃん!?」

「何で? はやては私の事そういう風に見てるんでしょ?」

「ち、違っ!? そうやない、あれは……フェイトちゃんが意地悪な事、言うから……つい……。」

「ん〜。 まぁ、良いや。 私は、はやてとしたいから良いよね?」

「フェイトちゃん!? ちょ、ちょぉ待って!?」

にっこり微笑むフェイトちゃん、助かったと安堵していると………あっさり、裏切られた。

「……待てない!」

「っ〜〜〜!? い、今の笑顔はなんやってん! フェイントなんて、ずるいやんか!」

「ん? はやてが可愛いからいけないんだよ? それじゃあ、頂きます♪」

「なんなんその無茶苦茶な理由……待ってって言うてるやん!
フェイトちゃ………ん――――んんっ!?」



 わたしの言葉を遮り、深く口付けるフェイトちゃん
 手をグーにしてフェイトちゃんの身体を叩いて抵抗しても、離すどころか更に深く口付けられて………力が抜ける。



「………むぐっ………んむっ………んっ…………」



 心行くまで口付けて満足したのか、唇を離すフェイトちゃん
 肩で息をしているわたしを見て、少し頭が冷えたみたいだ……心配して声を掛けてくる



「…………はやて、えっと……大丈夫?」

「…………………。」

「………はやて?」



 心配そうに声掛けられても、原因フェイトちゃんやで?
 わたし、待ってって言うたやんね?
 しかも…………いきなり…ディ………げふんげふん。
 ………は、無いやろ?



「………………えっと……はやてさん?」

「…………げつ……よく…や」

「え? 何、はやて?」

「フェイトちゃんは、1ヶ月禁欲や!!」

「え? …………えええええええぇ!? ま、待ってよ、はやて!?」

「待たへん!! 最近のフェイトちゃん、やりすぎやねん!
わたしの身にもなってや! 心の準備くらいさせてくれる理性は無いんか!」

「うぅ〜〜〜。 は、はやてぇ〜〜」

「うっ………そ、そんな声出しても許さへんよ! ちゃんと反省しぃや!」

「うぅ……………反省するから……1ヶ月は、長いよ〜〜 はやてぇ〜」



 ………なにも泣きそうにならんでも……。
 どんだけ、そういう事したいんよ?
 ちょっとは我慢を覚えてぇや……。





おわり



設置してある投票をいたずらに覗いて見たら………フェイはやに1票!?
誰ですか入れたの!? びっくりしたよ(汗)
ホントに(; ̄▽ ̄)
びっくりして短いけど、SS書いちゃったよ。

まぁ、フェイはやは読み専のつもりだったんだけどねww
じゃあ、そんな項目作んな!って……いや、はい、ごもっともでww


はやヴィヴィ命だしねww
はやてさんが大好きなんだ!(`・ω・´)キリッ

でもね? こういう はやてさんも可愛いと思うよね??
はやヴィヴィと違う意味で萌えるよね?

【2011年2月26日 27日】 著



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