とある日の部隊長と執務官の休日〜夏の日〜







「……」

「フェイトちゃん?」

「……」

「なんで無言なん? てか、ジト目で睨むん止めてくれへん?」

「…だって、抱き締めようとしたらはやてが逃げるから」

「せやって、暑いねん! たまには我慢したらどない?」

「我慢出来ない!!」



 即答ですか…毎日毎日べたべたしてるんやし、ちょっと位は我慢してくれてもええやん!



「……」

「えっと…はやて?」

「……」

「なんで、無言なのかな?」

「呆れとるんや!! わたしは今日ごろごろのんびりしたいねん!」

「うぅ……。 だって、仕事のある日ははやてずっと仕事してるし、構ってくれないし、そんなに怒らなくても一緒にごろごろするんじゃダメかな?」



 捨て犬の様な顔して…そんなん言うかて、フェイトちゃん一緒やとわたし抱き枕にされるやんか!
 そんなんされたら心休まる所か、心臓に悪い……昼寝も出来へんやん。



「ごめん、フェイトちゃん。 わたし疲れてるんよ…せやからちょぉ一人で寝かせてほしいんよ、な? たまにはええやろ?」

「でも……」

「後でちゃんと構ったるから、ホンマ…限界やね、ん――」



 喋ってる途中で意識が途切れ、身体を支える力を失い倒れるはやて。
 間一髪抱き止めたフェイトがそっとはやての顔を覗き込む。



「はや、て? 眠ってる? そんなに疲れてたんだ……ごめんね、はやて
 昨日も無理させちゃったし、ゆっくり休んでね」



 お姫様抱っこで部屋に運んで、そっとベットに下ろし額に口付けるフェイト。



「…むにゃむにゃ、フェイトちゃんの…アホー」

「はやて…夢の中でまでアホは酷いよ…」

「うにぃ…わたしかて、寂しいんやで〜」

「はやて?? えっと…寝てるんだよね?」



 寝言を連発するはやてに怪訝な表情になるフェイト、御得意の狸寝入りかと疑いたくなる。
 暫く見詰めていると、規則正しい寝息が聴こえてきて顔が綻ぶフェイト。



「良かった、寝てるみたいだ」



 安心したのと、はやての寝顔を見ていたらちょっと悪戯心がくすぐられそっとはやての頬をつつくフェイト。



「……うにゅ…書類仕事ばっかり…もぅ嫌や…」

「はやて…今度手伝うよ、たとえ嫌だって言ってもね?」



 つつくと寝言を呟くはやてが面白くて何度もつつくフェイト。



「…にゃ…ア、アリサちゃん…ハリセンはちょぉ…」

「はやて、一体何の夢を見てるの?」

「…むにゃ…すずかちゃん…相変わらずええ乳やな〜♪」

「……いい加減他の人の胸を揉むのは止めてくれないかなぁ?」

「……にゅ…ふぇいとちゃん…大好きやで〜」

「はやて!? 寝言だよね? 寝言なんだよね?」



 不意に紡がれた言葉にドキドキと心臓が早鐘を打つ。
 若干理性を削られたが何とか立て直し、ほっとしたのも束の間、不意に手を握られ視線をはやての顔に向けたのが不味かった。

 安心しきって緩んだ顔に若干赤らんだ頬、ヤバイと本能が告げるのが嫌と言う程分かる。
 急いで視線を逸らそうとしたフェイトの耳に聞こえた、はやての言葉がバインドの様に身体の動きを止めた。



「…うにゃ…ふぇいとちゃん…の…好きに…して…ええよ」

「ち、違う!? はやては寝てるんだ! 駄目だ、ダメダメ何もしちゃ駄目なんだ!」



 ぶんぶんと勢い良く首を振り、煩悩を祓おうと必死になるフェイト。



「…ぅん…ふぇい…とちゃん…ゃあ…そんなとこ…ひゃ…ぅ…あ…あかんて…」



 はやての一言でガラガラと音を立てて崩れるフェイトの理性。
 バーストしかけた理性を必死で繋ぎ止め、はやての上にマウントポジションの状態で固まるフェイト。
 ここまで耐えた事を正直褒めてほしいと思う、それほどまで頂けない一言だった。



「はやて…昨日の今日で、その言葉は無いよ〜
 うぅ…もうここに居て耐えれる自信は無いよ、リビングに行こう」



 色々と消耗したフェイトは一人リビング向かうのでした。





 数時間後、ゆっくり眠れてご機嫌なはやてがリビングのソファーに三角座りしてるフェイトを見て首を傾げたのは言うまでもない。





「えっと…フェイトちゃん? 何してるん?」

「…何でもないよ」

「いや、でも、何か暗いっちゅうか…疲れてへん? 何かあったんとちゃうん?」

「別に…何でもないよ、色々と美味しくて辛かっただけだから…」



 ぶつぶつ呟くフェイトに疑問符を浮かべるはやて。


 構ってあげんかったから、フェイトちゃんが可笑しなってしもた…抱き枕になってあげるべきやったんかな?
 でも、限界やったしなぁ〜



 フェイトの様子が可笑しいのは自分が構わなかったせいだと勘違いしたはやて。
 いつもより優しくてしたら小動物の様にビクビクするフェイトが面白くて悪戯するはやてと必死で理性をフル稼働するフェイト。
 そんな部隊長と執務官の平和な日常だったのはまた別のお話。





 終わり



ちょっと間が空いてしまった(汗)
ごきげんよう、てんです。

とりあえず、つまみ程度に楽しんで頂ければとww

う〜ん。 フェイはや書くと何故か、えろ方向に向かうフェイトさん(汗)
だから毎回自重してって言ってるやんか〜!! ←ウチとはやてさんの叫びww


最近、フェイはやSSをよく読んでるから(はやヴィヴィがあんまり無いからw)
フェイはや熱がwwww

許せヴィヴィオww
あ! いや、はやヴィヴィ主義ですよ?
というか……はやてさんが好きなんだ!

早くvividに本格参戦してくれはやてさん!!
てか、4巻(9月)5巻(10月)連続発売とか!?
藤真さん凄い!!

【2011年8月12日 20日 23日】 著



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