飲み過ぎは、程ほどに……
じゃないと後悔しても知らないよ?








「うぅ〜〜〜〜〜。 飲み過ぎた……」





 管理局陸海空混合大忘年会に強制参加されされた はやては。
 強くも無いお酒を上官から勧められ、断れずに飲み続けて現在に至る訳で……。
 自分の許容範囲を遥かに超えた量を飲んだ事で、翌日は軽くダウンするだろうと。仕方なく有休を申請して帰宅した。





「ようやっと着いた……って、あれ?  ヴィヴィオ?」





 玄関の扉を開けて中に入ったんやけど。
 あれ? ヴィヴィオさん? なんで居るん?
 何か約束してたやろか?





「はやてさん……大丈夫ですか? 心配だったから来ちゃいました」





 えへへ と笑うヴィヴィオを見て気が抜けて、その場にへたり込む はやて





「ヴィヴィオ〜 うぅ〜〜 しんどい」


「は、はやてさん!? えとえと、お水飲みますよね? 注いで来ますから少し待ってて下さいね」





 リビングへ行こうとしたヴィヴィオのスカートを軽く引っ張っる はやて。





「ふぇ? は、はやてさん? どうしたんですか?」





 上目遣いで、すがる様な。捨て猫の様な瞳でヴィヴィオを見詰めるはやて。





「置いてったら嫌や……」





 予想外な言葉と視線に、ヴィヴィオの心臓は早金を打つと。同時に嫌な予感が身体中を駆け巡る。



 はやてさん……酔ってる? 絶対に酔ってるよね?
 普段こんな事言ったりしないもん!
 恥ずかしがり屋さんだもんね〜 はやてさん。
 って、そんな事より! 早く寝かせてあげないと。



 大人モードに変身したヴィヴィオは、はやてをお姫様抱っこしてリビングに向かう。
 靴? 勿論脱がしてありますよ。
 予め用意してあった、お水をコップに注ぎ。
 はやてを抱っこしたまま、ソファ―に座ったヴィヴィオはコップをはやての口元に近付ける。





「はやてさん、お水飲めますよね?」


「うぅ〜〜。 嫌や、飲みたない!」





 子供の様にただをこね始める はやて。





「えぇ〜!? ちょっとはやてさん? 駄目ですよ! お水飲まなきゃ!」


「うぇ、ヴィヴィオ。声おっきい、怖い……」





 今にも泣き出しそうな はやてを見て、慌てるヴィヴィオ。


 ちょっとはやてさん! そこまで酔ってるの!?
 何とかしてお水飲ませないと。





「ごめんね、はやてさん。お水飲んでくれないと、私が困るから飲んでくれると嬉しいんだけど」





 うぅ〜〜〜 と唸りながら、暫く考える はやて。





「……わかった。じゃあ飲む」





 ほっと胸を撫で下ろすヴィヴィオ。
 コップを傾けゆっくり飲ませてあげる。





「……んぐ、んっ」





 はやてさん子供みたい。これはこれで可愛いなぁ〜♪



 お水を飲み終わった はやてがきょとんとした顔で疑問を口にする。





「ヴィヴィオ〜 何でおっきなってるん?」





 はやてさん。はやてさんを運ぶ為に大人モードに変身したんだけど。
 そんな事も分からないぐらい酔ってるんだね。
 誰? 私のはやてさんをこんなになるまでお酒を飲ませたのは。
 後で、リンディさんとクロノさんに圧力かけてもらえる様にお願いしとこう。





「はやてさんをお姫様抱っこする為に大きくなったんだよ?
 はやてさん、そろそろ着替えよう?」


「ん? 何で?」


「夜も遅いし、早く寝ないと疲れ取れないですよ?」


「……ヴィヴィオ、帰ってまうん?」





 不安そうに見詰める はやて。





「心配だから、今日は泊まっていきます」


「ん〜〜。 ほんなら一緒に寝よ〜 ヴィヴィオ〜」


「えぇ!? は、はやてさん!?」


「嫌なん?」


「い、嫌じゃないよ! そんな訳ないです!!」


「じゃあ一緒に寝よ〜や〜♪」





 にぱ☆ っと笑う はやてにたじたしなヴィヴィオ。



 うぅ〜〜〜。 いつもは反対なのに〜



 恥ずかしがり屋と年上だから滅多に甘えたりしない。
 はやてのお願いを断るなんて、そんな勿体ない事を出来る筈は無く。
 戸惑いながらも頷くヴィヴィオ。





「う、うん。 えと、それじゃあ、私はお風呂に入って来ますね」


「ほんなら、わたしも入る〜」


「うん……って、えぇ!? ちょっ!? はやてさん!?」


「ふぇ? わたしもヴィヴィオと一緒にお風呂入りたい。あかん?」





 だめ、だめ、駄目だよ!!
 そんなに酔ってるのにそんな状態でお風呂になんて入ったら、倒れちゃうよ?





「だ、駄目だよ! 酔ってるから駄目です!」


「……ヴィヴィオのいけず」





 むぅ……。 と、ジト目で睨む はやてに苦笑いになるヴィヴィオ。



 い、いけずって……。それ、違うよ?
 私だって、本当は、はやてさんとお風呂入りたいんだよ?
 我慢してるんだけどなぁ〜





「えっと〜〜。 それじゃあ、はやてさん。今日は、もう寝ましょう!」


「お風呂は?」





 そんなに入りたいの? はやてさん。





「明日一緒に入りましょう?」


「……明日?」


「はい! 明日です。それで良いですか?」


「んー。ヴィヴィオはその方がええん?」


「は、はい! 私はその方が嬉しいです!」


「ほんなら、そうする〜」


「えと。じゃあ、着替えましょうか?」


「えぇ〜〜! めんどい〜 このまま寝る〜」





 はやてさん。キャラ変わり過ぎだよ。
 どんだけ酔ってるんですか!?





「駄目だよ、はやてさん! ちゃんと着替えて寝ないと疲れ取れないよ!
 それに制服も皺になっちゃうし」


「ほんなら、ヴィヴィオ着替えさせてや〜」


「はい分かりました――って、えぇ!?
 着せ替えるの? 私が? はやてさんを?」


「うん。 わたしは別にこのままでもええんやけど。ヴィヴィオは嫌なんやろ?」





 いや。まぁ、そうなんだけど。
 最終的に困るのは、はやてさんなんだよ?
 後で苦情は一切聞き入れないからね?



 覚悟を決めたヴィヴィオは、はやてを再びお姫様抱っこして寝室に移動する。





「はやてさん、引き出し開けちゃっても良いですか?」


「ん〜〜。ええよ〜」





 はやてをベッドに寝かせて引き出しの前までやって来たヴィヴィオは若干困っていた。
 パジャマを探す為に、引き出しを下から順に開けたとこまでは良かった。
 引き出しの中身を目にして固まるヴィヴィオ。



 あぁ、うん。そうだよね。
 下着も入ってるよね。早く閉めよう……。





「……ヴィヴィオ? どうかしたん?」





 固まるヴィヴィオを不思議に思い、ベットから降りて肩越しにひょっこり覗く はやて。





「〜〜っ、は、はやてさん!?」





 近い、近いよ、はやてさん!? って、起きてて大丈夫なの?





「ん〜〜。何やヴィヴィオ、わたしの下着興味あるん?」


「ち、違っ!? 違うよ!?
 引き出し開けたら下着が入ってただけで。そ、そんなんじゃないもん!」


「んー。でも、見てたやろ? 何か気になるもんでもあったん?」





 うぅ〜。ち、違うよ〜 確かに、ちょっと……まぁ、その。見ちゃってたけど。





「な、なのはママが……」


「なのはちゃん!?」


「はやてちゃんは、紐パン持ってそうだね〜 って言ってたから……」


「ほんでヴィヴィオは、紐パン探してたんか?」


「あぅ……」





 はやてからの追及に堪らず顔を真っ赤に染めて俯くヴィヴィオ。
 耳まで赤くなっている。


 徐にヴィヴィオの耳をパクリとくわえたはやては、そのまま耳を舌で撫でる





「ひゃう!? は、はやてさん!? 何してるんですか!?」





 いきなりの事に抗議の声を上げ、はやてから離れようとするヴィヴィオを素早く抱き締める はやて。





「――――っ!?」





 後ろから抱き締められるし、耳は舌で撫でられるしで、ガラガラ音を立てて崩れるヴィヴィオの理性。



 駄目だ! このままじゃ私の理性が持たないよ〜〜





「は、はやてさん! とりあえず離れましょう!
 背中に、その、胸が当たってますし」





 耳をくわえている為、喋れないはやては念話で答える。





【……ヴィヴィオのえっち】


「あぅあぅあぅ……」





 はやてさ〜ん。 違うんだよ〜 こんな状況なら、そういう事考えちゃっても仕方ないんだよ〜
 だって私とはやてさん、恋人なんだし。そういう事に興味が無い訳じゃないし。
 でも、でも、酔ったはやてさんととか。初めてがそんなのは嫌だよ〜


 ヴィヴィオが限界だ、と思っていたら。はやての動きがピタリと止まっていた。
 恐る恐る、声を掛けるヴィヴィオ。





「……はやてさん?」





 耳を清ましてみると、寝息が聞こえてくる。
 危機が去った事に安堵の溜め息を漏らずには居られないヴィヴィオだった。



 はぁ〜〜。 危機一髪だったよ〜。
 はやてさんが甘えてくれたりするのは、嬉しいけど。
 今日のはやてさんはやり過ぎだよぅ〜〜
 やっぱりいつもどうりが一番良いなぁ〜♪
 明日は、お話しましょうね♪ はやてさん♪



 母親譲りの「お話しようか?」スマイルで笑うヴィヴィオ。
 はやてを着せ替えてベットに寝かせて、自分も着替えてから、はやての隣に潜り込む。
 うっかり大人モードのまま寝ているのも気付かずに。



 翌朝、ヴィヴィオより先に起きた はやての叫び声からその日が始まるのでした。





「はやてさん……五月蝿い」





 耳元で大音量の叫び声を聞かされた、ヴィヴィオは不機嫌オーラ全開。





「ぅ……。ご、ごめんヴィヴィオ。せやけどなんで一緒に寝てるん?
 てか、なして大人モードなん?」





 謝りながらも、頭を傾げ疑問を口にするはやての言葉を聞いて、身を乗り出すヴィヴィオ。





「え? えぇぇぇぇぇぇぇぇ!? お、覚えてないのっ!?」





 ヴィヴィオ、近いんやけど。
 言ったら、怒るやんなぁ〜?





「……覚えてないです」





 無言のヴィヴィオにひたすら謝り続ける はやてだった。





「なぁ、ごめんてヴィヴィオ〜 ほんと、わたしが悪かったから機嫌直してや。
 今度からちゃんとお酒控えるから。お願いやから機嫌直して下さい」





おわる……後日談書くかもしんないw




はい…ただいま日付も変わってるし(夜中3時30分過ぎ)、更に年も変わりましたww
さよなら寅年。 こんにちは卯年。
眠いです…すこぶる眠いです……orz

いつもと逆転させてみました〜
どうかな? 個人的には、いつもの方が好きなんだけど。
はやてさんは完全に酔いが回ってますw ヴィヴィオの笑顔を見て気が抜けた段階で
いつものはやてさんではありません!!

そして……びみょ〜にエロ? と思わせる件があったりとかww
あぁ、うん。 なんだろうねぇ〜
最近巡回するサイトの作家さんがエロ更新の所が多かったりした影響かなぁ〜?
エロは、見るの苦手だし。 結構エロ部分すっ飛ばして読んでたりww
書くのは無理だし。 てか、書けないし!
ここら辺が限界ですww 寸止め? みたいな感じで

まぁ、みんなから見たらエロの内に入んないだろうと、思うんだけどねww
個々で妄想げふんげふん。想像して頂ければと思います。
ザ・丸投げ〜

2011年だから、拍手11以上で後日談書くよ〜!!


【2010年12月27日〜2011年1月1日】 著



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