教育実習として研修先の母校の中学校で研修を終え晴れて教師になってから5年。
今日やってくる新任教師に会うまでは平和なのほほんとした日常やった。
そう、実習生の時に担当したクラスの生徒がまさか新任教師としてやってくるなんて誰が思うんよ!
わたし八神はやては、幼馴染みにして同期のアリサ・バニングスといつもの様に朝の会話を楽しんでいた。
「いや〜、今日やって来る新任の先生楽しみやなぁ〜♪」
「あんたのその台詞、耳にタコなんだけど?」
「せやって、教育実習明けの新人さんなんやろ? 若いし、可愛いやろ〜なぁ〜って思ってな?」
「若いはともかく、可愛いかは分かんないわよ?
それよりあんた、来て早々同僚の胸を揉むのいい加減止めなさいよ!」
「え〜、わたしの唯一の楽しみ奪うんかぁ〜」
「人に迷惑掛けて楽しむんじゃないの! そんなに胸が好きなら彼女でも作れば良いじゃない!」
「いやいや、わたし胸が好きなだけで別に女の子が好きって訳やないから」
「そうなの? てっきりそっちなのかと思ってたわ」
「まぁ、性別自体は気にせえへんけど。人となりを好きになるんやし性別なんて些細な事やん!」
「ま、まぁ、個人の自由よね。今は同姓でも結婚出来る時代だしね」
「そういう事や! っと、そろそろ来る頃やな〜」
「そうね、早めに来るでしょうからね」
わたしとアリサちゃんの話が一段落した丁度良いタイミングで職員室の扉がノックされる。入るように促すアリサちゃんの言葉で扉が開き、中に入ってくる女の子二人。
その女の子を見て若干顔をひきつらせるアリサちゃん。何でそんな反応なん? よっぽど不細工なんか? それとも太ってるんか?
まぁ、よっぽどや無い限りわたしは胸を揉まして貰うんやけどな〜♪
視線をアリサから、女の子二人に移すはやて。
何や可愛いやん! アリサちゃんも思わせ振りな事して〜、ん? でも、何や見覚えある様な顔やなぁ?
固まるアリサと疑問符を浮かべるはやてに、にっこりと微笑み挨拶をする二人。
「お早う御座います、本日付けで赴任して来ました、月村すずかです。お久し振りです、アリサ先生にはやて先生♪」
「お早う御座います、同じく高町ヴィヴィオです! はやて先生、アリサ先生お久し振りです♪」
二人の言葉にアリサと同じ様に固まるはやて。
今この状況でだったら、アリサと心で会話出来る自信がある。そんな現実逃避な思考に半ば本気で思ってしまうはやて。
とまぁ、腐れ縁といえど心を許せる無二の親友だ。目だけである程度の会話は出来る二人はどうしようかと目で会話していると、ヴィヴィオからの爆弾が投下される。
「はやて先生、大人になったら私と結婚してくれるんですよね♪」
「〜〜っ!?」
「は、はやてどういう事よ!? あんた教え子に手を出してたの!!」
声にならない声を上げるわたしに向かって声を荒げるアリサちゃん。慌てて否定するも説明する様に言われ、我ながら苦しいたとえ話をする羽目になる。
「ちゃ、ちゃうよ!! わたしかてそれくらいの分別弁えてるっちゅうねん!」
「じゃ、じゃあどういう事よ!!」
「あ〜、う〜、ほ、ほら良くあるやろ? 小さい子が、大人になったらお父さんのお嫁さんに〜云々。アレやアレ!」
「本当でしょうね?」
流石に言い訳が苦しかったのか、疑いの眼差しで見るアリサちゃん。酷い! 確かに疑いたくなる様な言い訳やったかも知れん、せやけど信じてくれてもええやんか! 殆どホンマの事やのに。
「アリサちゃん酷い! 無二の親友相手に信じてくれへんの?」
「いや、信じてない訳じゃないんだけど。あんた理性弱そうなんだもん」
「なっ!? わたしメッチャ我慢強いっちゅうねん! アリサちゃんのあほー」
「だから、ごめんってば!」
信じてない訳じゃなく理性が弱そうに見えると言うアリサちゃん。それ、信じてないって事やないん!? 否定したらごめんって謝られた。
信じてもらえんかったショックが大きくて項垂れてたら、フォローを入れる高町さん。フォロー入れるんやったら、もうちょお考えて発言して欲しいんやけど。
「うん、アリサ先生。はやて先生ガード堅いよ! 全然その気になってくれないんだもん!」
「えっと、高町さん」
「あ、ヴィヴィオで良いですアリサ先生」
「じゃあ、ヴィヴィオ。単刀直入で悪いんだけど、はやてに胸揉まれた事はある?」
「ふぇ? 無いですけど?」
「そ、そう。なら良いわ!」
フォローする高町さんに対して胸を揉まれたかどうか確認するアリサちゃん。ちょぉ!? 言うに事欠いてなんちゅう事聞いてるんよ!
そして確認するやいなや、自己完結してしまうとかどうなん? ほら、高町さんも意味が分からず戸惑ってるやんか!
「えっと、どういう意味で――」
戸惑う高町さんの言葉を遮り、裏切りのアリサちゃんに悪戯と言う名のスキンシップを発動する。うん、後でたっぷりと堪能させて貰うで♪
「ちょぉ!? 何の確認なんよ! 全く信じてくれてへんやん! お詫びに後で胸揉まして貰うからなぁ〜♪」
「なぁっ!? ちょ、ちょっと待ちなさいよはやて! ちょっとした冗談じゃない」
「いや、目がまじやったもん!」
「うっ……」
わたしの言葉に慌てるアリサちゃん。本人は冗談だと言い張るが、目がまじだったと言うと図星だったらしく、ぐうの音もでなくなる。
今日はとことん揉んだるからなぁ〜♪
挨拶してからずっと傍観者宜しく、にこにこと見守っていた月村さんがわたしの胸揉む発言が気になったらしく恐る恐る尋ねてくる。
「えっと、はやて先生とアリサ先生って付き合ってるんですか?」
「ん? 付き合ってへんよ〜、なんや月村さんはアリサちゃんの事好きなんかぁ〜」
「はい、大好きです♪」
「ほほぅ、そうかそうか、良かったなぁ〜アリサちゃん」
アリサちゃんの事を好きかと聞くと素直に肯定する月村さん。うん、可愛い可愛い♪ 流石のアリサちゃんもこの直球には恥ずかしかったらしく、顔が赤く染まっている。
予想外に満更でもない様子のアリサちゃん。
そんな幼馴染みの反応に口角を上げ、態とらしく話を振ると慌てて否定する。
「ちょっ、ちょっとはやて何言ってるのよ! 教え子に手を出す趣味なんて無いわよ!」
「もう教え子やないやん! 無問題やろ?」
「うぐっ!? そ、そういう問題じゃなくて……」
「ん〜、何や問題あるん?」
「あんた、分かってて言ってるんでしょ?」
「嫌やなぁ〜アリサちゃん、分かってるに決まってるやん♪」
「このエロ狸!!」
幼馴染みをつかまえてエロ狸は無いやろ。エロ狸は。それにしてもさっきの反応を見る限りは、昔二人に何かあったんは確かやねんけど。下手にいじると後が怖いし取り敢えずは様子見かなぁ〜
「月村さん、今日仕事終わった後って時間空いとる?」
「はい、これといって用事はありませんけど」
「ちょっ、ちょっとはやてそんな事聞いて何する気よ!」
「え? 何って歓迎会やけど? せえへんの?」
「あー、そ、そうね、した方が良いわよね!」
「あのさ、アリサちゃん。一体何やと思たんよ? 別に月村さんに手出したりせんから安心してや〜」
「そそそ、そんな事思ってないわよ!?」
「アリサちゃん、それ殆ど肯定にしか聞こえんから〜♪」
「は、はやて!?」
「にしし♪」
「ま、まぁ良いわ。あたしも気になるのよね〜、あんたと高町さんの事。歓迎会でじっくり聞かせて貰おうじゃないの!」
アリサちゃんの反応が面白くて、ニヤニヤと笑ってたら見事なカウンターが斜め上からやって来た。
流石のわたしもこの攻撃は想定外で、音を立てて固ってしまう。てか、ホンマに何もしとらんよ!
続く
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あとがき
え〜と、最近学パロ読み漁ってたら、こんなの出来ました。
しかも中途に終わらす始末で←ちょっww
そして最近気づきました、長編読むのは好きだけど、書くのはアレだって事にw いや、もう書いちゃってるのはちゃんと終わりまで書くつもりですよ! 中途半端とかありえんからww
そして年明けから、書き方? 変えてみようかと思います。
ちょこちょこ短いスパンにしようかと思っとります。
短く(SSが文字数少なく)小刻みに(間隔を短く)をモットーに
長いの書こうとするから続かないんだよ……たぶん。という事で来年もリリカルマジカル頑張ります!
【2011年12月27日28日】著
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