アリサちゃんの勢いに呆然となり固まる高町さん。一方、月村さんは楽しそうに見守っている。
あー、高町さんが固まるんも無理ないと思うけど、元教え子とはいえ免疫ありすぎへんか月村さん?
まだメニューすら見てないであろう高町さんにメニューを渡すとようやく戻って来てくれた。取り敢えずお帰りってとこやな。
「ほい、高町さん。向こうに鬼が居るから何飲むか早めに決めてな?」
「ふぇ? はやて先生?」
「うん? どうかしたんか」
「あ、いえ。じゃあ、私はこれが良いです」
始めからお酒を飲むつもりだったのか、わたしとアリサちゃんの遣り取りを見た所為か。無難に酎ハイに決める高町さん。
飲める年や言うても、どう考えても成人してからそんなに経ってるとは思われへん。
心配になって無理せんでもええと伝えると、笑顔で大丈夫と返ってきた。
「えっと、大丈夫? 無理して飲まんでもええんよ?」
「あ、はい。大丈夫ですよ、1杯ぐらいなら付き合えますから」
「それならええんやけど、アリサちゃんの事は気にせんでええよ」
「いえ、そういう訳には――」
「いやいや、あれは横暴やから無視してもええ!」
「いや、でも」
「ええから。アリサちゃんが怖いんやったらわたしが守ったるから、な?」
「ふぇ!? えっと、その……」
アリサちゃんの横暴は無視して良いと伝えても折れない高町さん。流石に先輩を無視出来ないらしい。
でも、わたしとしては元教え子が横暴に従う様を見るのは面白くない訳で。守ったるからと伝えると素っ頓狂な声を上げる高町さん。心なしか顔が赤く見えるんは気のせいやろか?
「ん? どしたん高町さん、何や顔赤い気ぃするけど大丈夫?」
「だだだ大丈夫です!? 無理そうなら少しだけにしときますから」
「うん、無理だけはせんようにな?」
「は、はい!」
赤い顔でこくこくと勢い良く頷く高町さん。ホンマに大丈夫なんかな? じっと見つめてたら正面に座ってるアリサちゃんが態とらしく溜め息を付いた。
「何なんアリサちゃん。飲むって言うてるのに、まだ何か文句あるん?」
「別にそういう意味で溜め息を付いたんじゃないわよ。あんた偶に天然で罪作りなのよね」
「はぃ? 何の事。意味分からんねんけど」
「意味が分かったら、天然っての取り消してあげるわ」
「いや、そんな事より教えてほしいんやけど」
「ま、分からなくても問題ないから大丈夫よ」
「ほんなら始めっから言わんといてくれたらええのに、そんな風に言われたら気になるって」
「ほら、飲み物も来たんだし始めましょう」
天然とか罪作りとか意味が分からん事を言い出すアリサちゃん。聞いても教えてくれず、店員が持って来た飲み物を持って乾杯の音頭を取り始める。
誤魔化されたというか、スルーされたというか、なんか納得出来へんけど場の空気を悪くするんは不本意やし。
仕方なくコップを手に取り乾杯するのはやてだった。
続く
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あとがき
今回は、すずかさん空気ww
果たして次回は加われるかな?←ぉ
【2012年01月08日】
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