猫の王子様 2
はやての自業自得?








 最近わたしの扱いが酷い気がするんやけど、何でなんよ!!



 日頃の行いが悪いと言われたら、まぁ・・・・・・あんまり強くは言えんけど。
 せやけど、これはあんまりなんちゃうか?

 わたしアリサちゃんの為に休日返上で駆け付けたんやで?
 せやのに、この扱い・・・・・・・・・。






 はぁ・・・・・・・・・。
 今日は久々に仕事休みやってんけどなぁ〜 まさか、アリサちゃんから仕事の依頼が来るとわ思わんかったわ〜
 この分やと、わたし今日は仕事やろなぁ? とりあえず、レティ提督に報告やけど・・・・・・。
 管理外世界で起きた事件やし、早急に解決せんとあかんのは事実やし、ここは緊急回線つこても良いんやろか?

 緊急回線でレティに 通信を繋げる、はやて。 ほどなくレティの顔がモニターに映し出された



「ん? どうかしたの? はやて、緊急回線なんか使って。 今日は休みの筈よね??」

「すんません、レティ提督 ちょぉ、こっちの世界で事件が起きたんですよ。
次元震とか災害の心配は無いみたいなんで、そない急ぐ事ないとは思ったんですけど・・・・・・・・・。
急いで何とかせんと、後が怖いんで・・・
被害者はアリサちゃんなんですけど、急いで何とかする様に電話掛かってきたんですよ・・・・・・聞いてくれますか?」



 はやての必死さに、苦笑いで頷くレティ



「え、えぇ・・・・・・」

「わたしが休みを満喫して、寝たのに朝早くに電話掛けてきて、わたしの仕業や言うてくるんですよ?? わたし何もしてないんで、
何の事か聞いたんですけど・・・・・・わたしにだけは言いたくないって、それじゃあ応え様がないって言ったんですけど・・・・・・・・・。
日頃の行いが悪いって言うんですよ!? そんなん今は関係無いのに!! ちょぉ酷いと思いません??」

「あはは・・・そうねぇ、アリサさんうちにスカウトしたいわね〜」

「ぇ!? な、何でそうなるんですか??」

「ん? 人を見抜く術と頭の回転のよさ、それと判断力かしら? 彼女かなり有能よ!
人事部は人が足りないもの、アリサさん欲しいわね〜♪」



 本気で語る上司に、溜め息を吐きながら 愚痴から報告に話のベクトルを戻すはやて



「レティ提督・・・・・・報告しても良いですか?」

「えぇ、良いわよ」

「アリサちゃんなんですが、朝起きたら・・・・・・頭の上に猫耳が生えてたそうです。 後尻尾も生えてるらしいんですが・・・・・・・・・。
本人曰く、感覚があるんで本物との事です。」

「これは・・・・・・・・・古代遺物が絡んでいる可能性があるわね、休みのところ悪いんだけどこの事件、貴女に頼んでも良いかしら?
今、手の空いてる捜査官って居ないのよ! 必要なら数人まわすから、指揮してもらえる?
勿論、無限書庫の使用許可も下ろしておくわ」

「そのつもりです! わたしが何とかせんと、後が怖いんで・・・。 とりあえず、現場に行って状況を分析して、
ユーノくんに調べて貰おうと思てます! 念のため、出来たら・・・・・・なのはちゃんとフェイトちゃんに助っ人頼みたいんですけど?」

「分かったわ、それは私が手配しておくから 後は頼むわね?」

「はい! 了解です。 それじゃあ、失礼します」



 レティとの通信を終え、一息つく間も無く バリアジャケットに身を包み、自分の回りにだけ局地的に結界を張り空を翔る、はやて
 勿論、向かう先はすずかの家!

 まさか、この結界術がこないな形で役に立つなんて。 色々術式は考えとくもんやなぁ〜
 まぁ、こういう使い方するつもりで創ったんとちゃうんやけどな? お? 到着や!! やっぱり、翔んでくと速いなぁ♪

 バリアジャケットと結界を同時に解除して、すずかの家の呼び鈴を鳴らし 家に上げてもらった、はやては急いですずかの部屋に向かった。
 急ぎ過ぎて、ノックをするのを忘れたのがいけなかった・・・・・・。 すずかの部屋の扉を開けて、先ず目に入ったのは、すずかに抱き締められている、アリサの姿



「お待たせ!! って・・・・・・・・・。
えと・・・何してるん? お二人さん!? すずかちゃんはえらいご機嫌やね? それにひきかえアリサちゃんされるがままやん!!」

「はやてちゃん? おはよう♪ どうしたの? いきなり」

「へ? 何や、アリサちゃんから聞いてへんの? その猫耳何とかする様に言われてんけど」

「そうなんだ 立ち話もなんだから、とりあえず上がって」

「うん、そうさせてもらうわ♪ って、にょわ!? あ、危ないやん アリサちゃん!? いきなり何なん??」



 部屋に入って扉を閉め 振り返った瞬間に、アリサちゃんがわたしに向かって凄い勢いでハリセンを繰り出してきた!!
 それを間一髪回避した、わたしは疑問を投げ掛ける



「はやて!! アンタねぇ!! ノックもしないで、扉を開けるんじゃないわよ!! それなのに平然とすずかと喋るとか、どういう事!!」



 あんな凄い勢いでハリセンを繰り出してきたのに、わたしがノックしないのが悪いからだと言ってのけるアリサちゃん

 確かにノックを忘れたわたしも悪かったんは事実やけど・・・・・・。 なにも問答無用でハリセン繰り出さんでも・・・
 それにしても凄い勢いやったで? 当たってたらと思うとゾっとするんやけど?



「ちょぉ、待って!! 今回はわたしが悪かったんやけど、なにも問答無用でハリセン繰り出さんでも・・・・・・・・・。」

「うるさい、うるさい、うるさ〜〜い!! とりあえず、一発叩かれなさいよ!!」

「えぇ〜〜!? 無茶苦茶や〜!?」



 すずかちゃんに抱き締められてるのを見られて、恥ずかしいんやろ〜けど。 そないに怒らんでもええんと違うか?
 顔がえらい真っ赤やけど・・・ね? 今日は、まだ何もからかって無いのに・・・そない全開で攻撃せんでもええやんか。



「堪忍や!! アリサちゃん・・・ごめんて! わたしが気絶してもうたら・・・事件調べられへんねんけど?」



 アリサの攻撃がぴたりと止まる



「どういう事??」

「レティ提督に報告したんやけどな? 予想通り、この事件の担当に指名されたんよ? んで、数人回してくれるって言うから、
わたしが指名させてもらったんやけど。 レティ提督が手配してくれる言うから、わたしは先にここに来たんよ〜」

「そういや、アンタなんたら捜査官とかだっけ? で、他に誰が来るのよ!?」



 な、なんたらって・・・・・・。 何か間抜けな響きやねんけど?



「アリサちゃん・・・・・・。 特別捜査官やねんけど〜 来るんは、なのはちゃんとフェイトちゃんや!!
アリサちゃんも知り合いの方が良いやろ思ってな? 今回はなのはちゃんとフェイトちゃんはわたしの指揮下に入る事になるけど・・・・・・。 まぁ二人とも所属ちゃうから、出向扱いやけどな〜」

「武装隊士官に執務官だっけ?」

「・・・そうやけど・・・・・・。 何でわたしの役職だけ、ちゃんと覚えてないんや!? それと、二人は最後に候補生が付くんよ」

「あっそ・・・・・・。」



 なのはとフェイトはまだ、候補生なのね? それより・・・アンタ最後に魔法と出遭ったのに一番出世してるじゃないの!



「だって、アンタの長いじゃない!!」

「酷っ!? そんだけの理由で? 特別が付くだけやん! それに、なのはちゃんも結構長いと思うんやけど?」

「うるさいわね・・・・・・叩かれたいの?」

「ぅぃ!? 何でも無いです・・・・・・。」



 うぅ・・・・・・・・・。 酷いよ? 扱いが・・・・・・
 日頃の行いが、こないなところで自分に跳ね返って来るとは・・・。
 わたしは、アリサちゃんの為に休暇返上で事件引き受けて来たんやけど? この扱いは酷いん違うか!?

 二人を見かねた、すずかが仲裁に入る



「駄目だよ? アリサちゃん、はやてちゃんはアリサちゃんの為に来てくれたんだから・・・あんまりいじめちゃ、可哀想だよ?」

「うぅ・・・・・・・・・。 わ、分かったわよ」

アリサちゃん・・・・・・。 すずかちゃんにはえらい素直に言う事聞くんやね? まぁ・・・助かったんやけどな?

「はやてちゃん、大丈夫? 今日はお休みだったんだよね? ごめんね」

「ええよ〜 気にせんといて、わたしら友達やん♪ わたしの方こそ、ありがとう〜 助かったわぁ
アリサちゃん、ええ奥さんで良かったなぁ〜♪」

「はやて!?」

「は、はやてちゃん!?」



 はやての言葉でアリサとすずかの顔が赤く染まっていく。
 すずかは恥ずかしくて、もじもじしている。
 アリサは瞬時にはやてをハリセンで叩く 部屋中に響き渡る、ハリセンの音とはやての叫び声
床に倒れて、突っ伏す はやて



「うきゅ〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



 はやてを心配して駆け寄る、すずか



「は、はやてちゃん 大丈夫??」

「きゅ〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



 すずかが呼び掛けても、ダウンした はやては、唸り声を上げるだけ



「アリサちゃん、やり過ぎだよ〜〜」

「ぅ・・・。 だって・・・・・・。 はやてが悪いのよ? あたしが怒るの、分かってるくせにそういう事言うんだから!!
だから、当然の報いなのよ!」

「アリサちゃん、気持ちは分かるけど・・・・・・駄目だよ? 手加減くらいしてあげないと」

「すずかは、はやてに甘過ぎるわ!! はやてはこんな事ぐらいじゃ、全然堪えないのよ? だから問題無いわよ」

「でも、駄目だからね?」



 微笑むすずかに不穏な空気を察して、二つ返事で頷くアリサ



「・・・・・・わ、わかったわ。 なるべく気を付けるから・・・。」



 すずか怒らすと怖いんだから・・・。 ここは選択肢は無いも同然だわ・・・・・・笑顔なのが余計に怖いのよ!



「うん、アリサちゃん♪」



 嬉しそうにアリサに抱き付くすずかにひと安心するアリサ

 ふぅ・・・・・・本当今日は、厄日だわ・・・。 でも・・・・・・機嫌がすっかり良くなったから、まぁ結果オーライよね?



「えっと・・・・・・すずか? その・・・はやてが起きる前に、離してね? またからかわれるから・・・。」

「ん〜〜、そうだね・・・・・・。 ちょっと残念だけど。 じゃあまた後でね? アリサちゃん♪」

「なっ・・・・・・・・・」



 アリサからゆっくり身体を離して微笑むすずか
 すずかの言葉に、狼狽え、顔が真っ赤に染まるアリサ

 いつの間にか意識を取り戻した、はやてが苦笑いで呟きを漏らす



「・・・・・・ふたりとも、わたしの事はスルーやねんな? ひとをダシにイチャコラして、ちょぉ酷いん違うか?
わたしだけやったら手に負えんわ・・・・・・。 なのはちゃん、フェイトちゃん、早く来てや〜」





 続く


はやて・・・・・・アリサの逆鱗に触れるwwwwww
はやてはこの手のからかいに関して命張ってるとこあるかんねw

アリサの照れ隠しにやられるとかww
そして・・・すずかには逆らわないw ←尻に敷かれてますw

【2010年4月4日〜8日】 著

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