優しい君が大好きだから……。







 とある日・・・教室でアリサに睨まれ怯えるフェイト。



「・・・・・・・・・あの・・・アリサ? 私は何で睨まれているのかな?」



 ビシっと指差し、ポーズを決めるアリサは当たり前の様に行ってのける



「決まってるじゃない!! アンタがいつまで経っても、なのはに告白しないからよ!」



 突然予測外の言葉を言われ、顔を真っ赤に染め
 慌ててアリサに注意するフェイト



「ち、ちょっとアリサ!? こ、声が大きいよ・・・・・・。」

「なのはも居ないんだし別に良いじゃない!」



 アリサ・・・・・・なのはが居る居ないとかの問題じゃなくて、そんな大声で言わなくても・・・・・・・・・
 だって、ここ教室だよ? クラスの皆が居るんだよ? 全員は居ないけど・・・・・・。



「そんな事より、早く言っちゃいなさいよ!
モタモタしてたら誰かに捕られるわよ? なのは、あれで結構モテるんだから」

「そ、そんな事言ったって・・・・・・。」



 煮え切らないフェイトに深く溜息を洩らすアリサ



「はぁ〜〜。 フェイトはホントにヘタレなんだから! 決める時はビシっと決めなさいよ!」

「あぅあぅ・・・・・・・・・。」



 フェイトが気の毒で見て居られず、止めに入るすずかとはやて



「あ、あの・・・・・・アリサちゃん…フェイトちゃんにも心の準備があるんだし・・・・・・。
あんまり強く言っちゃ、可哀想だよ」

「そんな事言ったって、フェイトは言わないと何もしないわよ?」

「まぁ、まぁ、アリサちゃん。 フェイトも告白せえへんなんて言うてへんねやし、このくらいにしとったりや!
それに、アリサちゃんも人の事言えへんやんか〜」

「ど、どういう意味よ!?」

「ん? せやから、アリサちゃんもすずかちゃんに何も言うてへんやん!」



 はやての言葉に驚くフェイトとすずか



「「えっ!?」」



 そして・・・青ざめ、たらたら冷や汗を流すアリサ



「は、はやて!? ア、アンタ・・・・・・・・・な・・・何言ってるのよ・・・・・・。」



 ニヤリと笑うはやてに冷や汗が止まらないアリサ



「まぁ、そういう事で! 堪忍したってや?」

「・・・・・・・・・・・・・・・べ、別にあたしは、何でもないんだからね!!」



 怒鳴って誤魔化すアリサにすかさず、突っ込む はやて



「う〜ん、流石アリサちゃん・・・ツンデレやね〜♪
フェイトちゃん・・・アリサちゃんは言い方、強かったかも知れへんけど・・・・・・。
わたしも同意見やよ! なのはちゃんを誰かに捕られるん嫌やろ?
せやったら・・・ちゃんと、気持ちを伝えんとあかんよ!」



 おちゃらけた雰囲気から一変、真面目な表情でフェイトを励ます はやて



「・・・・・・うん。 分かったよ、はやて! 私、なのはに言うよ! ちゃんと気持ちを伝えるから!」



 夕方、仕事から帰って来たなのはと二人。
 フェイトのマンションの屋上でトレーニングを終え 飲み物を飲みながらクールダウンする、なのはとフェイト



「フェイトちゃん、今日はもう終わりにする?」

「・・・ぇ? あぁ、うん・・・・・・そうだね」



 ぼーっとするフェイトを不思議に思い、頭を傾げるなのは



「フェイトちゃん? どうかしたの?」

「へ? 別に何でもないよ・・・なのは」

「でも・・・・・・・・・ぼーっとしてるし、顔もなんだか赤いよ?」

「ホントに大丈夫だよ! 体調が悪い訳じゃないから・・・・・・」



 そんな事言っても、フェイトちゃん辛くても我慢して言ってくれないから・・・・・・信用出来ないよ?



「むぅ・・・・・・・・・。 フェイトちゃんは、なのはを頼ってくれないんだね?」



 拗ねる、なのはに焦るフェイト



「・・・・・・な、なのは?? 私・・・何か、なのはを怒らせる事したかな?」

「だって・・・・・・フェイトちゃん絶対何か隠してるよね? なのはには相談もしてくれないんだね・・・・・・」



 いや、なのは・・・・・・。
 君の事で悩んでるのに・・・・・・・・・本人に言えないよ?



「そういう事じゃなくて・・・・・・・・・。 ホントになんでもないんだよ、なのは」

「むぅ・・・・・・・・・。 いいもん!
フェイトちゃんがちゃん教えてくれないんなら、もうお泊まりに行ってあげないから!」



 ぷいっとそっぽを向くなのはに内心泣きそうになるフェイト



 な、なのは〜 そんな事されたら、私・・・眠れないんだよ?
 ひどいよなのは〜



「なのは・・・・・・・・・き、機嫌直してよ!
私が一人じゃ眠れないの知ってるのにそれはひどいよ!」

「アルフさんと寝れば良いじゃない!」

「アルフも母さん達も今日仕事で帰らないんだよ!
だから今日は、なのはの家に泊まる様に言われてるんだし・・・・・・」

「し、知らないもん! フェイトちゃんがちゃんと話してくれないから悪いんだもん!」



 何を言っても、許してくれそうもない なのはに、観念して昼間学校での事を話す事にしたフェイト



「・・・・・・わかったよ、なのは ちゃんと言うから許してくれるかな?」

「・・・うん!」



 フェイトの言葉に振り向くなのは



「えっとね・・・・・・・・・」



 今日、アリサ達に言われた事を告白の部分を除いて説明したフェイト



「という訳なんだ! だからホントに体調が悪い訳じゃないんだよ?」

「それは分かったけど。
で、フェイトちゃんは何をなのはに言ってないのかな?」

「え?」

「え? じゃないよ、だってそれでアリサちゃんに怒られたんでしょ?」

「・・・・・・うん・・・そうだけど。 い、言わないと駄目かな?」

「うん! 言ってほしいなぁ〜♪」



 微笑むなのはに心臓が色んな意味で跳ねるフェイト



「〜〜〜〜〜っ!?」



 顔を真っ赤に染て固まるフェイトを心配して近付く なのは



「フェイトちゃん? 大丈夫??」

「だ、だ、だ、だ、だ、大丈夫だから・・・・・・あんまり近付かないで・・・なのは・・・。」



 不思議そうに頭を傾げるなのは



「・・・なんで??」



あぅぅ〜〜、なのはそんな可愛い仕草は反則だよぅ〜〜

苦し紛れに言い訳するフェイト



「そ、そんなに近付かれたら・・・・・・言い難いよ!」

「あ! ご、ごめんねフェイトちゃん」

「いや、良いよ。 私が心配かけたのが悪いんだし・・・・・・」



 少し離れてフェイトを見詰める なのは
 昼間に覚悟を決めたとはいえ・・・・・・いざ告白する事になると足が竦むフェイト


 怖い
 伝えたい

 怖い
 逃げたく
 ない

 怖い

 なのはを誰にも
 捕られたくない!


 意を決して、想いを言葉にするフェイト



「・・・・・・・・・なのは・・・・・・これは、私が勝手に想ってる事だから・・・・・・君には迷惑な事かも知れない・・・・・・。
だから・・・・・・嫌だったらちゃんと言ってほしい・・・・・・・・・良いかな?」



 フェイトの真剣な眼差しに、なのはも真剣に応える



「・・・・・・・・・うん、わかったよ」

「・・・・・・・・・私は・・・色々な事をなのは・・・君に教えてもらった・・・・・・。
悲しい・・・寂しい・・・嬉しい・・・楽しい・・・色んな感情。
そして・・・・・・友達・・・家族・・・・・・人を大切に想い合う温かなあたたかい優しい気持ちを君が教えてくれたんだ!」

「フェイトちゃん・・・・・・。」

「だけど・・・・・・なのは・・・君は優しいから、時々無茶をする・・・・・・・・・それが私は心配なんだ!
だから・・・・・・私は、なのは・・・君をずっと守っていきたい!
君が傷付くのは嫌だから・・・・・・だって・・・私は、なのはが大好きだから・・・・・・。」



 心臓が飛び出しそうなぐらい、バクバク言ってるフェイトに抱き付く、なのは



「・・・・・・な、なのは!?」

「なぁに? フェイト♪」



 抱き締められ身動きが出来ないフェイトは訳が分からず、疑問符を浮かべる



「な、何で私は抱き締められているのかな??」

「わからない?」

「う、うん・・・・・・」

「フェイトちゃんの告白が嬉しかったから♪ だから、なのはからのお礼だよ!
わたしもフェイトちゃん大好きだもん♪」

「なのは・・・あの・・・・・・・・・友達って意味じゃないよ?」

「ふぇ? わかってるよ♪ 恋人って意味でしょ?」

「う、うん・・・んんっ―――!?」



 『そうだよ!』と続く筈のフェイトの言葉を遮り フェイトの唇を自分のそれで塞ぐなのは
 触れ合うだけの優しいキス そっと離される唇

 照れくさそうにはにかむ、なのはに対して顔を真っ赤に染て呆然とするフェイト



「にゃはは♪ えっと・・・・・・帰ろっか? フェイトちゃん」

「・・・・・・・・・えぇ?? ちょっ!? な、なのは??」



 フェイトの手を握り空へと飛び上がる なのは



「ん〜? なぁに? フェイトちゃん♪」



 キスされた事を意識して真っ赤な顔で視線を逸らすフェイト



「いや・・・・・・あの・・・・・・・・・なんでもない・・・」

「もぅ〜 変なフェイトちゃん! 家に帰ったら、ご飯食べて一緒にお風呂に入ろうね♪」

「えぇ!? な、なのは!?」

「あ! 夜は一緒に寝ようね♪ フェイトちゃん♪」



 ご機嫌な恋人に対して首を縦に振る選択肢しかなく、力無く頷くフェイトだった・・・・・・・・・。


 この後、色んな意味でフェイトが大変だったのは・・・・・・また別のお話。。





 終わる

            


この後、お風呂に一緒に入ったり、一緒に寝たり・・・
フェイトには嬉しい様な辛い様なwww イベントがw

頑張れフェイト!!


そして・・・フェイトが誰かと一緒じゃないと眠れないのは、
てんの勝手な設定なのであしからず(`・ω・´)キリ


フェイト告白編でした。

ちょっとした伏線も落とした事だしw
アリサ サイドも今度書いてみたいな〜と思いつつ、この辺で!


【2010年11月20〜21日】 著



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