スキンシップも程々に 
優しい君が大好きだから……。の続編にあたる話







 なのはに告白して、晴れて恋人どうしになったところまでは良かったんだけど……。
 まさかこんなに大変な事が起こるなんて思って無かったよ……あぅあぅ…。



 ねぇ、なのは………何で私は、なのはに引きずられる様に翔んでるのかな?
 そんなに急がなくても大丈夫だと思うよ?
 お泊まりするんだし、ずっと側にいるよ!
 でもその前に……そろそろ手を緩めてくれないと首が締まるよ、なのは……。



「なのは………もう少し、ゆっくり翔んでくれると嬉しいんだけど……。」

「ふぇ? あ……ごめんね、フェイトちゃん。
嬉しくてつい…ね? にゃはは♪」



 フェイトの状態を見た、なのはは慌ててスピードを緩める。
 舞い上がってしまった恥ずかしさを照れ隠しに笑って誤魔化す、なのは

 あぁ、うん。 なのは、君はどんな笑顔も可愛いね♪



「…うん。 大丈夫だよ、なのは! えと…それじゃあ、行こう。」

「う、うん。 フェイトちゃん♪」



 再び家に向かって翔び始めた、なのはとフェイト
 今度は、少しスピードを落として進む
 だけど、繋いだ手は離さずにしっかり握っている。



……手は繋いだままなんだね、なのは。
いつも飛行中は、繋がないのに…なんで?

「えと、なのは……手を繋いだままじゃ危ないと思うよ?」

「えぇ〜! そんなにスピード出してないし、大丈夫だよ!」

「でも……」

「むぅ……。 フェイトちゃんは、なのはと手を繋ぐの嫌なの?」

「そ、そんな事無いよ! 凄く嬉しいから!」



 勘違いされては困ると言わんばかりに慌てて否定するフェイトに対して、にっこり微笑む なのは



「なら、問題ないよね?」

「いや……そういう事じゃなくて…。」

「…フェイトちゃん?」

「……………………はい。」



 怒らせては不味いと本能的に感じたフェイトは大人しく従う事にした


 なのは………君を怒らせてはいけない気がするのは、気のせいかな?
 さっきから嫌な汗が止まらないんだけど………。



「…フェイトちゃん? どうかしたの? なんだか顔色が悪いよ、
それに……汗もいっぱいかいてるみたいだし……。」

「だ、大丈夫だよ! なんでも無い、なんでも無いから!」

「…………フェイトちゃんの大丈夫は信用出来ないよ!
辛くても我慢しちゃうし……無茶しちゃうし……心配なんだよ!」

「えと………それは、ごめん…なさい。
これからはちゃんと気を付けるから、その……な、なのはには言うから!
今のは、本当になんでも無いんだよ? たぶん緊張してるんだと思うんだ。」

「緊張? キスしたから? それとも、恋人として意識してるから?」

「………た、たぶん両方かな。」



 なのはの一言で引いていた熱がまた集まり始め、視線を逸らすフェイト

 せ、せっかく意識しないようにしてたのに………。



「……フェイトちゃん? なんで視線を逸らすの??」

なのはが、キスとか恋人とか言うから……恥ずかしくて顔が見れないんだよ。

「……………………。」



 一杯一杯のフェイトの内心を知る由もない、なのはは悪戯な笑みを浮かべながらさらりと爆弾を投下する。



「…フェイトちゃん?? 答えてくれないと、キスしちゃうよ?」

「きっ!? あぅ………。」



 予想外な言葉で咄嗟に振り向いたフェイトは、なのはと視線が合うと
 爆弾が爆発したみたいに“ボンッ”と音をたてて一気に顔が真っ赤になる。



「可愛いなぁ〜♪ フェイトちゃん♪」



 フェイトに抱き付くなのは
 抱き付かれたフェイトは、あぅあぅ唸るばかり
 そして、更に爆弾を投下するなのは



「う〜ん。 フェイトちゃん、ご飯とお風呂どっちを先にする? やっぱりお風呂かな?
汗かいちゃったし、フェイトちゃんの身体は、なのはが洗ってあげるね♪」

「え……………えぇぇぇぇぇ!? な、なのは!?
私、じ…自分で洗えるよ!」

「えぇ〜〜〜。 フェイトちゃんは、なのはが洗うのは嫌?」

「ち、違っ!? そういう意味じゃないよ!」

「じゃあ…良いよね? フェイトちゃん♪」

「いや、だから、その……なのは…さん?」

「良いよね?」

「………………………はぃ。」



 うぅ…………。 なんでこんな事に、せめて泊まりじゃない日に告白すれば良かったかなぁ……。

 ご機嫌な、なのはは、玄関を開けフェイトを中に入れる。
 玄関でスリッパを履いていると、リビングから美由希がやって来た。



「なのは、フェイトちゃん、お帰り〜♪ 今日は早かったね」

「あ、お姉ちゃん! ただいま〜♪ 今日は、トレーニングだけだから早かったんだ〜」

「美由希さん………ただいまです。」

「そっか〜 ふたりとも偉い偉い! 身体を鍛えるのは大事だからね〜♪
それより、フェイトちゃんまだ慣れないね〜 自分の家だと思って遠慮なんてしなくて良いんだよ?」

「…ご、ごめんなさい。 慣れなくて………。」



 しゅんと落ち込むフェイトを元気付ける為に話題を変える美由紀



「あ! なんなら私の事は、お姉ちゃんって呼んでも良いんだよ〜♪ なぁんて♪ ってフェイトちゃん??」



 美由希の言葉を聞いて、顔を真っ赤に染めて固まるフェイトに焦る美由希



「な、なのは………私、フェイトちゃんに何か不味い事言っちゃったかな?」



 二人を見て、苦笑いになるなのは



「あ〜〜〜。 た、タイミングが悪かったかも……。
大丈夫だよ! なのはが何とかするから、お姉ちゃんお風呂先に入っても良いかな?」

「それは別に良いけど………ホントに大丈夫? ごめんね、なのは。
フェイトちゃんには、ちゃんと正気に戻ってから謝るからね!」

「うん!」



 美由希と別れて、固まったフェイトの背中を押しながら、お風呂場に移動した
 なのはは、自分の服を脱ぐと固まっているフェイトの服を脱がし始める。
 リボンをほどき、シャツを脱がし、スカートを脱がす
 なのはがキャミソールに手をかけた所で、意識を取り戻したフェイトは、なのはの姿を見て狼狽える



「………………っ!? な、なのは!?
なっ、なななな何で服を着てないの!!」

「ふぇ? 何でって……お風呂に入るからだよ?」



 挙動不審な動きをしているフェイトに再びキャミソールを脱がし始めるなのは



「え!? ちょっ!? な、何!? 何してるの!? なのは!?」

「え? フェイトちゃんのキャミソールを脱がしてるんだけど?」

「じ、自分で脱ぐから! なのはは先に入ってて!」



 慌ててなのはを浴室に押し込み、その場にへたり込むフェイト

うぅ………。 何でこんな事に……美由希さんと話した所までは覚えてるんだけど……。
私……その後どうしたんだっけ?



「フェイトちゃ〜ん、まだ〜?」

「す、直ぐ行くからもうちょっと待ってて」



慌てて下着を脱ぎ、浴室に入ったら……スポンジを泡立てて待ち構えてるなのはが居た。
………………わ…私…一体どうなるのかな?



「フェイトちゃん、早く早く!」

「う、うん…………。」



 フェイトが椅子に座ると、背中を洗い始めるなのは
 背中を洗い終わり、スポンジを受け取ろうと手を伸ばすフェイトに笑顔で爆弾を投下するなのは



「なのは? あの…スポンジを……」

「ん〜〜〜。 背中だけじゃなくて、全部なのはが洗うよ♪」

「え? 全部?? ……………っ!? ぜ、全身!?」

「うん! 隅々までなのはが洗ってあげるね♪」

「ちょっと待って! なのは! だ、だだだ駄目だよ!」

「なんで?」

「だ、だって……そんな事するのは、恋人ぐらいって………………あれ?」

「だから……わたし達、恋人同士だよね?」

「いや……まぁ……そうだけど……でも…なのは…」

「………えっと……ダメかなぁ?」



 上目遣いで見つめるなのはと視線が合い、恥ずかしさで視線を逸らすフェイト



「あぅ………………。」

「ねぇ、フェイトちゃん……ダメ?」



 逸らした視線を再度、上目遣いで合わされたフェイトは右往左往視線を泳がす。



「うぅ………いや……でも……いきなりは………その……は、恥ずかしいよ!」

「大丈夫だよ! 恥ずかしいのも恋の醍醐味のひとつだって、はやてちゃんが言ってたよ?」



 は、はやて………余計な事を。



「でも……なのは…」

「う〜ん。 なのはだけじゃ不公平だもんね?
なのはが洗い終わったら、フェイトちゃんがなのはの身体を洗ってね♪」



 いや……なのは、そういう事じゃないんだけど………。
 それはそれで……危険な感じがするのは気のせいかな?



「……………………。」

「フェイトちゃん、早くこっちに向いてほしいなぁ〜♪」


 諦めて、なのはと向かい合うフェイト
 恥ずかしそうに、顔を真っ赤に染めて視線を逸らす



「〜〜〜〜♪ フェイトちゃん、痛くない? 大丈夫?」

「う、うん。 大丈夫だよ、なのは」



 腕を洗い終えると次は胸やお腹を洗い始める、なのは



「〜〜〜〜〜〜〜っ!?」



 “びくん”と反応するフェイトに頭を傾げるなのは



「フェイトちゃん? どうかしたの?」

「………なのは…何だか、くすぐったいよ〜」

「ごめんねフェイトちゃん、えと……こんな感じで大丈夫かな?」

「……ん…や……やっぱり…くすぐったい……よ…なのは。」

「ご、ごめん、フェイトちゃん。 えっと……じゃあ、どうしよう?」



 スポンジを持った手を宙に浮かべたまま考え込むなのは

 ほっと一息ついて、落ち着かない鼓動をなんとか鎮めるフェイトにはやてから念話が届く



『フェイトちゃん……聞こえるか?』

『………はやて? 聞こえるよ、どうかしたの?』

『いや……ちょぉ確認したいんやけどな? フェイトちゃん、まさかと思うんだけど……
今日なのはちゃんに告白してへんやんなぁ?』

『………え? 告白したけど、なんで?』

『……………フェイトちゃん、今日はなのはちゃん家に泊るんやろ?』

『うん、そうだけど? それがどうかしたの?』

『……ホンマに鈍感やなぁ〜 フェイトちゃん』

『ちょっ!? はやて? 私べつに鈍感なんかじゃないよ!』

『いや、鈍感でヘタレや!』



 ふ、増えた!? なんでそんな事言われるのかな?



『はやて、増えてるよ!?』

『ん? まぁ、本当の事やし。 せやって、後先考えずに告白したんやろ?』



 本当の事って……酷いよ、はやて。



『って……………後先?』

『せや! なのはちゃん家に泊まるのに、後の展開を考えんと告白したんやろ?』

『……………それは、どういう意味かな?』

『ここまで言うても、分からへん? なぁ…フェイトちゃん』

『………分かってたら、聞かないよ!』

『はぁ………しゃあないなぁ〜 フェイトちゃんは鈍感やから知らんかったやろうけど……
なのはちゃん割りと前からフェイトちゃんの事好きやってんで?
その、なのはちゃんにや! 告白して……まぁ、聞かんでも分かるんやけど…付き合ってるんやろ?』

『まぁ……そうだけど…。 って、何でなのはの気持ち知ってるの!?』

『いや……普通に気付くやろ? あれだけベタベタしといて。
それに……なのはちゃんのフェイトちゃんに向ける視線は恋してる女の子やったし…。
逆にあれだけ、好き好きって視線受けながら気付かん方がわたしはどうかと思うんやけど?』

『うぐ………。』

『でや、今困った展開になってるんやろ?』

『っ〜〜!? な、なんで分かるの!?』

『そら、分かるよ……親友やしなぁ〜
案の定、暴走したなのはちゃんにお風呂で身体を洗われたりしてるんやろ?
それはもう赤面するような部分まで』

『………………間違ってる部分が無くて、怖いよ……はやて』

『いや、いや……これくらい、わたしやなくても……アリサちゃんやすずかちゃんも分かるんやけど?』

『…………そうなんだ。』

『親友やしなぁ〜♪ んで、フェイトちゃん困ってるんやろ?
助けてあげてもええんやけど?』

『え? ホントに?』



 やっぱり困ってたんかい! なのはちゃんやり過ぎやで……ホンマに全力全開やねんから



『ええよ〜♪ 友達やんか、ちょっとは頼ってや!』

『はやて………ありがとう』

『お礼なんてええって、ちょぉ胸揉ましてくれればそれでええから♪』

『うん、分かった…………って、えぇ!?』

『交渉成立やな? ほんなら、わたしはなのはちゃんと話すから暫く待っといてくれる?』

『ちょっ、ちょっと待って!! はやて!
成立じゃないよ!? 何で私がはやてに胸を揉まれないといけないのかな?』

『それは、まぁ……わたしが揉みたいから?』

『そういう問題!? だめ、駄目だよ! そんな事出来ないよ!』

『ん〜〜 ほんなら助けんでええん?』

『た、助けてくれないの!?』

『せやって、胸揉ましてくれへんねやろ?』

『なっ!? 親友だから頼ってって言ってたよね?』

『ん? 確かに言ったけど、そこは…ほら、等価交換や!
わたしも命懸けなんやし…胸くらい揉ましてくれんと……なぁ?』



 等価交換………というか、はやては胸を揉むのに命懸けちゃうんだ………。



『でも…何でなのはと話すだけで命懸けになるのかな?』

『………いちゃいちゃしてる所を邪魔するんよ?
説得を間違ったら……わたし、なのはちゃんの逆鱗に触れてSLBやん!』

『………………………。』



 否定出来ない気がする……。



『……あかん? ええやん! 減るもんやないし、逆に増やしたるから♪』



 手をわきわきしてるはやての姿が容易に想像出来るから、笑えない。
 減るとか、そういう問題じゃないんだけど……。
 別に……増やして欲しいとか思ってないし。



『………フェイトちゃん? そろそろどっちにするか決めてほしいんやけど〜』

『………………わ、わかったよ。 ちょっ…ちょっとだけだからね?』

『おっしゃ! ほんなら、なのはちゃんと話すから暫く待っといてな♪』



 ガッツポーズをしているであろうはやてに思わず苦笑いになりながら答えるフェイト



『わかった………。』



 あぁ、もう何とかしてくれるなら……なんでも良いや…。

 人間諦める事も大事だよね? なんて事を思うフェイト
 そんなフェイトの心境は露知らず、意気揚々となのはを説得する為に念話を送るはやて



『お〜い、なのはちゃん聞こえるか〜』

『な、何? はやてちゃん? どうしたの??』

『とりあえず、おめでとうや♪』

『えっと………何の事??』



 いきなりおめでとうと言われても何の事か分から無い、なのはは頭を傾げる



『せやから、フェイトちゃんと付き合ってるんやろ?』

『え? な、なんで知ってるの!? はやてちゃん?』

『いや、なのはちゃんがフェイトちゃん好きなんは知ってるんやし……。
フェイトちゃんがなのはちゃん好きなんも知ってるし……
ちゃんと告白する様にアリサちゃんとわたしで背中押したんやもん!』

『そうなんだ……。 ありがとう?』

『なんで疑問符なん?』

『な、なんとなくかな?』

『まぁ、ええわ。
それよりもや! なのはちゃん……何事にもやり過ぎは良くないんやで?』

『えっと………どういう意味かな?』

『本当に分からへん?』

『……分かってたら、聞かないよ?』

『………………。』



 揃いも揃って、鈍感とか!? ふたりとも同じ事、言うてるし……似た者同士というか。
 まぁ…根っ子の部分は限り無く近いんやろうけど……。



『………はやてちゃん??』

『ん? あぁ、付き合うからって先走り過ぎるんは良くないって事や!』

『ふぇ?』

『せやから、恋人同士のスキンシップをゆっくり段階を踏んで徐々にって言うてるんよ?』

『えっと………。』

『ここまで言うても分からへん?
付き合って間ぁ経ってへんのに……赤面する様な部分まで洗い合いっことかするんは、
行き過ぎてる言うてるんよ!』

『そ、それは…………その……だって、いっつも一緒にお風呂入って洗い合いっこしてるし…………。』

『まぁ、そうかも知れへんけど……そんな赤面する様な部分まで洗ってないやろ?
背中と髪の毛だけなんちゃうんか?』

『…うぅ………。』

『フェイトちゃん困ってるんと違うか? 相手の気持ちも考えんとあかんよ!』

『…あぅ………………。』

『……まぁ、いっつも二人はイチャイチャしてるから………アレやけど
普通は、デートを重ねて色々段階を踏んで………ええ雰囲気になってキスしたりとかなんよ?』

『っ〜〜〜〜〜〜!!』

『………なのはちゃん?
ま、まさか……もうキスしたんか??』



 なのはの動揺を声だけで言い当てるはやてに顔を真っ赤に染めて呻くなのは



『…………にゃ…………………。』

『………………………ど阿呆!!
それでなくても、フェイトちゃん恥ずかしがり屋なんよ!
ちゃんと段階を踏んでスキンシップせなあかんやんか!』

『…あぅあぅあぅ……………。』



 呻くなのはに更に畳み掛けるはやて



『あぅ、やない! ちゃんと自重せなあかんよ!
当分は、洗い合いっこ禁止や!』

『そ、そんなの横暴だよぉ〜〜』



 真っ赤な顔をして呻いていたなのはは、はやての一言で涙目になりながら抗議する。
 そんな、なのはの言葉をあっさり肯定しつつも、フェイトを助ける為に頑なに自分の意見を曲げないはやて



『ええよ、横暴で、そうせんとフェイトちゃんが不憫やんか!』

『そ、そんな事ないと思うんだけど……。』

『フェイトちゃん自身がスキンシップ足りひんと思ったら、自分からスキンシップするやろうし……それが無い限りは、足りてるって事やろ?』

『ぅ…………。』



 はやての正論にぐうの音も出ない
 にっこりと、仕事をやり遂げた感じの良い笑顔で言い放つはやてに直も食い下がるなのは



『という事やから、ちゃんと自重してや? なのはちゃん!』

『……………で、でも…。』

『でもやないよ? 拒否権は無いんやから!』

『な、何で!?』

『ん? なのはちゃんは、フェイトちゃんに嫌われたいん?』

『え? 何でそんな話になるの?』

『せやって…このまま、なのはちゃんが欲望に任せたままフェイトちゃんと
スキンシップして……ヒートアップしてったら。
その内…フェイトちゃん、なのはちゃんを避ける様になってまうよ?』

『…………そ、そんな事は……ない…と……思う………よ?』

『おーい、なのはちゃん。 段々尻すぼみになってるよ〜?』

『だ、だって……はやてちゃんが避けるなんて言うから……』

『いやいや、人の所為かい!?
わたしは本当の事しか言うてへんよ?』

『あぅ…………そんなつもりじゃないんだけど……』

『まぁ、えぇよ。 胸さえ揉ましてくれればそれで♪』

『うん。 ………って、えぇ〜〜〜〜〜!?
な、何で!? はやてちゃんに胸を揉まれないといけないの!?』

『ん? 揉みたいから♪』

『………やだって言ったら?』

『まぁ、拒否権くらいあるよ? せやけど、ええん?
フェイトちゃんの負担にならんくらいのスキンシップちゃんと出来るんか?
わたしやったらアドバイス出来るんやけど?』

『うぅ…………………………はやてちゃん、ずるいよ〜〜』

『わたしは、どっちでもええんよ〜』

『うぅ〜〜〜。 他の事じゃ…だめ?』

『なのはちゃん、等価交換って知ってるか?』

『等価交換??』

『せや、等価交換。 何かを得ようとするには、同等の代価が必要って事や〜
せやから、胸を揉ましてくれるんやったらアドバイスしたるよ?』

『つまり……胸じゃないと、だめなんだね?』

『ん? わたしはどっちでもええんよ?
嫌やったら、わたしに頼らんでもええんやし』

『………………………えっと……具体的にどのくらい……その…………のかなぁ?』

『………なのはちゃん、良く聞き取れんかったんやけど何て言うたん?』

『……だ、だから………その……どのくらい…………むのかなぁ……』

『なのはちゃん、もっとはっきり言うてくれんと……聞こえんのやけど』

『〜〜〜〜〜〜っ!? ど、どのくらい揉むの!!』

『…………………えっと……どのくらいって言われても。
『まぁ、なのはちゃんの胸はフェイトちゃんのもんやし……そこは適当に?』

『は、はやてちゃん!?』

『え? せやって、そうやろ? 違うん?』

『うぅ〜〜〜〜〜。 そんな恥ずかしい事言わないでよ〜』

『なに言うてるんよ! さっきまで、フェイトちゃんの胸を洗ってたんは誰やったかなぁ〜?』

『にゃ!? な、何でそんなピンポイントで分かるの!?』

『いや、分かるやろ? 最初に赤面する部分で肯定してるんやし……。
赤面する部分に絞ったら数ヵ所しかあらへんやん!』

『あぅ………。
もう、良いよ………分かった、分かったから……。』

『………あんだけ大胆な事しといて、指摘されたら恥ずかしいとか………。
ほんで、どないするん?』

呆れ顔のはやてに藁にもすがる思いではやてに助けを求める事にしたなのは

『……………………………どうしたら良いのか教えて下さい。』

『分かった♪ 交渉成立やな!
まず、今のフェイトちゃんの状態を説明するとやね。
想いを伝えて、結ばれて、今のフェイトちゃん……必要以上になのはちゃんの事意識し過ぎてんねん!
せやから、なのはちゃんがリードしたらなあかんねんで?

ドキドキだけやったら、しんどいやろ?
安心感も与えてあげなあかん!
今から言う事を試してみて、そん時のフェイトちゃんの状態をよく見てコントロールしたってや!

手を繋ぐ……まぁ、基本やな。 ただし、今までと違って恋人繋ぎやで?
抱き付くんは………ちょぉ危険かも知れん、ん〜〜 抱き締めるんやったらギリギリセーフかなぁ〜?』

『ふぇ? どう違うの??』

『一見同じ様で違うんよ!
あくまでもわたしの個人的意見……感覚やねんけどな?

抱き締めるんは、相手に安心感を与えるって言うか……癒しを与えるって言うか……
例えるなら、母親が子供を抱き締める感じを想像してもらったら分かると思うんだけど……。』

『ん〜〜〜。 わたしが小さい頃……お父さんが大怪我で入院してて、
お母さんもお姉ちゃんもお兄ちゃんも、お店に看病に大変だったから……
家で一人で留守番する事が殆どだったし、あんまり良く分からないんだけど……。
想像で良いんだったら……なんとなく、分かる気がする』

『まぁ、わたしも似たようなもんやけど……。
本で得た知識やしなぁ〜 ほんなら、なのはちゃんが自分の子供を
どんな風に抱き締めるか想像してみたらええんとちゃう?』

『え? わ、わたしまだ子供だよ!?』

『……そんなん分かってるよ。
せやから、あくまでも想像やって言うてるやろ!』

『ご、ごめんね…はやてちゃん。
びっくりしちゃって……』

『ええから、想像してみてや!』

『う、うん。』



そして…はやてによる、フェイトの為のなのは自重講習会が続くのでした。






 終わり



あぁ、うん。 赤面する様な部分って………。
書いてるこっちが赤面するわ!!
はい、逆ギレですww なんと言われ様が恥ずかしいんです。

そして何で、はやてさん……二人に説教してんの?
んで、結局胸揉むんですね? わかりますww
十数年後では、ヴィヴィオに対してあんなにヘタレなのにねw


【2011年1月5日〜2月9日】著



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