猫の王子様 1
アリサの受難







 何で、あたしがこんな目に遭わないといけないのよ!!



 とある日の出来事だった・・・・・・。
 今まで生きてきてこんな事態が起きるなんて夢にも思はないわよ?

 ねえ、そうでしょ?

 誰かなんとか言いなさいよ!!








 次の日が休みなので、すずかの家に泊まったんだけど・・・・・・
 朝起きてみたらどういう訳か・・・・・・あたしの頭に猫耳が付いていた

 ・・・・・・いや、正確には生えていた、オマケに尻尾まで生えているんだけど!? 一体どうなっているのよ??
 感覚まであるんですけど!?これって夢? それとも現実? はやての悪戯?
 これが一番確率高そうね? とりあえず、はやてに電話してみようかしら?




「・・・・・・アリサちゃん・・・」



 いきなりのすずかの声に身体が“ビクッ”っと震えるアリサ 恐る恐るすずかの方に振り向き、様子を確認する



「・・・・・・すずか?」



 なんだ・・・寝てるじゃない! でも、この状態かなりマズイんじゃ・・・・・・・・・。 こんな姿をすずかに見られたら・・・・・・・・・っ!?
 は、早くなんとかしないと!! とにかく、はやてよはやて!!

 はやての携帯に電話を掛けるアリサ。 数回コールして、はやてが電話に出る。



「アリサちゃん、どないしたん? こない朝早くに珍しいやんか〜 今日も奥さんと一緒なんかぁ〜?」



 開口一番それなの?? 他に幾らでも言う事あるでしょ? ていうか、おはようはどうしたのよ!
 普通は先ずソレでしょ? そういう事ばっかり言ってるからアンタは恋人が居ないのよ!!



「はやて?? アンタ誰に向かってそんな事言ってるの?」

「何や、朝からそんなカリカリして? 昨日はお預けくらったんか!?」



 アンタ、絶対分かってやってるでしょ? いい加減にしないとセクハラで訴えるわよ?



「は〜や〜てぇ〜!! だから何でアンタはそういう事言うの? そんな事より、アンタ昨日あたしに何かしたでしょ??」



 はぃ?? なんなん確信的な台詞やね? 何の事言うてるん?? 



「何かって、何を? わたし何もしてへんけど? 何かあったん?」

「コレ、アンタの仕業じゃないの!?」

「いや、だから・・・・・・何かを言ってくれんと、わたしも応え様が無いんやけど・・・・・・。 身に覚えもあらへんし」

「・・・・・・・・・。 アンタにだけは言いたく無いんだけど・・・・・・」

「酷っ!? アリサちゃん、ちょぉ!! 酷いよ!!」

「アンタの日頃の行いが悪いからよ?」

「う゛・・・・・・ せやかて、それとこれとは別やと思うんやけど?」

「・・・・・・・・・分かったわよ。
朝起きたら、あたしの頭に猫耳が生えてたのよ!! ついでに尻尾もあるんだけど・・・・・・。 何とかしてくれない?」

「え!? それって・・・・・・本物なん!?」

「ちゃんと感覚あるし・・・・・・本物でしょうね! こういう魔法? 関連はアンタ達の仕事でしょ?
四の五の言わず何とかしなさいよ!! 早くしないとすずかが起きちゃうじゃない!!」



 やっぱり、お泊まりしてたんやね? ほんで、その姿をすずかちゃんに見られたないんやね?
 まぁ・・・すずかちゃん、にゃんこ好きやもんなぁ〜 そんな姿見られたら何されるか分からんっちゅう、
 アリサちゃんの気持ちも分からんでもないけど? わたしはそれを是非見てみたいと思うんやけどなぁ〜♪



「・・・・・・・・・アンタ・・・今、余計な事考えてたでしょ?」



 ア、アリサちゃん相変わらず鋭いね・・・。



「そんな事あらへんよ〜」



 アンタがそう言う時は大体余計な事考えてるんだけど・・・。 今はそれ所じゃないから、流してあげるわ! 命拾いしたわね。



「・・・・・・・・・。 まぁ、良いわ。 それより何とかしてくれるんでしょうね?」



 アリサちゃん納得してへん感じやね? 友達の一大事やし、何とかしてあげたいんやけどな?
 先ずは上の許可を取らな、わたしらは動けんのよ〜



「とりあえず、レティ提督に聞いてみるけど・・・・・・。 少なくても今日1日は時間貰う事になると思うで?」

「何でよ?」



 いや、何でよ? と言われても・・・・・・。 色々手続きがあるんよ! 勝手にやったら始末書もんやねん・・・。
 わたしレティ提督にめっちゃ怒られるやん!!



「許可取ったり、調べたりとかしなあかんし、色々時間掛かるんよ?」



 めんどくさいわね・・・・・・ちゃっちゃと出来ないのかしら??



「はぁ・・・・・・。 それじゃあ・・・あたしはどうしたら良いのよ?」

「へ?? 別にどないもせんでええよ? そこで待機しててくれたら、わたしらがそっちに行くから
ところでアリサちゃん、どっちの家に居るん??」

「・・・すずかの家だけど・・・・・・・・・。」

「ほんなら、後でそっちに行くから。 待機しといてな?」

「分かったわ! 出来るだけ、早くしてよね?」

「了解や! ほなら、またなぁ〜」



 はやてとの会話を終え、携帯を切るアリサ

 はぁ・・・・・・・・・。 この分じゃ、すずかにこの姿を見られるのは確定よね? とりあえず、着替えとこうかな?

 諦めて、とりあえず着替える事にしたアリサは、着替えを鞄から取り出す為にベッドから降りて取り出していると
 背後から“モゾモゾ”と音が聞こえてきたが気にせず作業を続ける



「・・・・・・・・・アリサちゃん?」



 “ビクッ”っとアリサの身体が震える、背筋に寒気が走るのを感じて固まるアリサ

 また、寝言? それとも・・・・・・本当に起きたの!?
 何か凄く嫌な感じがするんですけど?

 などと、アリサが考え込んでいると 声を掛けても固まったまま、振り返ってもくれないアリサに違和感を感じて近寄るすずか
 アリサの頭の上の猫耳に気付いたすずかは、不思議に思いながらも猫好きの性か? 徐に右手でその、猫耳を触る



「ひゃっ!?」



 いきなり猫耳を触られたアリサは涙目になりながら猫耳を押さえて、その場から2・3歩遠ざかる



「ア、アリサちゃん!?」



 予想外の反応に戸惑うすずかに対して、素っ気ない返事をするアリサ



「…なっ、何よ?」

「えと…。 何で頭の上に猫耳があるの??」

「・・・・・・・・・そんなの、あたしが聞きたいわよ!! 朝起きたらこうなってたんだから!!」

「そ、そうなんだ・・・・・・。 アリサちゃん・・・・・・頭撫でても良い?」

「なぁ!! 何でよ!?」

「え? 可愛いからだよ?」



 いやいや、何当たり前の事聞いてるの? みたいな顔されても・・・・・・ 困るんですけど!?
 しかも、言うに事欠いて、あたしの頭を撫でるですって!? じょ、冗談じゃない!! そんな 恥ずかしい事、出来る訳無いじゃない!!



「ねぇ? アリサちゃん・・・ダメ??」



 頭を傾げて問いかける、すずかに狼狽えるアリサ



「っ〜〜〜〜〜!! いや・・・・・・その・・・・・・・・・だ、だから・・・・・・」



 そ、そんな風に聞かれたら・・・あたし困るんだけど? 分かってやってるんじゃないでしょうね!?



「アリサちゃん? だから、何?」



 だから、困るんだってば!! すずかそんなに、にこにこして・・・・・・なんか楽しんでない??



「うぅ〜〜〜〜。 だ、駄目よ!」

「何でか聞いても良いかな?」

「だ、だって・・・・・・。 感覚があるんだから、触られると・・・その・・・色々とマズイのよ・・・・・・。」

「マズイ?? えと、何がマズイの?」



 うぐっ! やっぱり楽しんでるでしょ?? そろそろ解放してくれないかしら?
 やっぱり、猫が好きだから?? でも・・・触られたら、あたしの身がもたないんだから!!



「と、とにかくマズイのよ! この話はここまで!!」



 アリサちゃん? それはちょっと、横暴過ぎると思うんだけど?



「・・・・・・良いよ。 アリサちゃんがそういう態度をとるんなら、私も好きにさせてもらうから♪ ね? アリサちゃん♪」



 にこにこ微笑むすずかに対して、ヤバイ気配を察知して冷や汗を流しながら後ずさるアリサ その顔は引きつっていた

 え!? もしかしなくても・・・・・・あたし、地雷踏んだ??
 でも・・・何で、そんなに楽しそうなのよ!? その笑顔が余計怖いんですけど? ちょっ!? どうしたら良いのよ??
 にじにじ、迫って来ないでよ!!



「ちょっ・・・ま、ま、待って!! すずか!! 落ち着いて? さっきはあたしが悪かったわ。 だから・・・・・・とりあえず、迫って来ないでよ」

「・・・・・・酷いよ、アリサちゃん・・・。 私、そんなつもりじゃないのに・・・・・・・・・」



 急にシュンと落ち込み俯くすずかに、慌てて宥めるアリサ



「な!? ち、違う違う!! そうじゃなくて・・・・・・。
だ、だから・・・・・・あたしが悪かったって言ってるでしょ? そんな顔しないでよ? ごめんってば!!」

「・・・で、でも・・・・・・・・。」



 これだけ、謝ってもまだ機嫌直してくれないっての? 今日は厄日だわ・・・。 まぁ、身体がこんな事になってる時点で厄日なんだけど



「うぅ・・・・・・・・・・。 わ、分かったわ・・・な、撫でても良いから・・・・・・・・・・・・だから・・・そんな顔しないでよ!」

「アリサちゃん? い、良いの??」



 ん? ちょっと機嫌良くなったんじゃない?? 鳩が豆鉄砲くらった、みたいな顔だけど? 何でそんな以外そうな顔するのよ?
 あたしってそんなに意地っ張りだと思われてる訳!? ちょっと傷つくんですけど・・・・・・
 それに・・・良いも悪いも、すずかにそんな風に悲しい顔されたら、あたしが折れるしかないじゃない!!



「・・・・・・ちょっとだけだからね?」

「うん! ありがとう、アリサちゃん♪」

「べ、別に良いわよ・・・・・・。 それぐらい・・・」



 笑顔になってくれるんなら何でも好きな事してあげるわよ!



「えと・・・。 じゃあ、撫でるよ? アリサちゃん」



 アリサの頭をそっと撫でる、すずか 自分で承諾した以上、甘んじてそれを受け入れるアリサだけど・・・・・・。

 っ〜〜! や、やばい!? この感覚は非常にやばいわ!! これが猫の感覚な訳!? た、耐えるのよ!! アリサ・バニングス!!
 うぅ〜〜〜〜 ある意味、拷問じゃないの!?

 うわぁ〜〜♪ 撫で心地が猫そのものだよ? それに・・・猫耳のアリサちゃんも新鮮で凄く可愛いよ〜♪



「猫耳のアリサちゃん可愛いね〜♪ ぎゅってしても良いかな?」



 すずかの方が可愛いわよ! そんな幸せそうな顔して・・・べつにいちいち聞かなくても。
 あたし達恋人なんだからそのぐらいのスキンシップ、したい時にすれば良いのに。 まぁ・・・そういう気遣いがすずからしいんだけどね
 けど、そんな事面と向かって言われると恥ずかしくて素直になれないんだけど・・・ 



「は、恥ずかしいんだから・・・いちいち聞かない!!」



 顔を真っ赤に染めながら、“ぷい”っと横を向くアリサ



「うん・・・・・・。 ごめんね? アリサちゃん」



 それから暫くの間アリサを抱き締める、すずかだった。





 続く

 
さて、始まりました猫ww
本物の猫耳を装備したアリサがw やって参りましたww 

防御力確実に下がってますが 何か?
上がったのは、すずかの攻撃力〜♪

アリサがヘタレになりすぎてちょっと困りますw


【2010年3月26日〜4月4日】 著

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