猫の王子様 3
なのはのふたつ名







 今日は久々の休暇でのんびりフェイトちゃんと過ごす予定だったんだけど・・・。
 リンディさんとレティ提督からの出動要請。 聞けば、はやてちゃんの指名らしいんだけど・・・・・・。

 どういう事かな? はやてちゃん、きっちり説明してもらうんだからね!!







 “コンコン”と、扉をノックする音にアリサとすずかとはやての意識が扉に集中する



「「「?????」」」



 全員、頭の上に疑問符を浮かべながらアイコンタクトで会話する、答えにいち早く辿り着いたはやてが掌を“ポン”と叩いて、答えをアリサとすずかに教える



「なのはちゃんとフェイトちゃんや〜!!」



 その答えに合点がいき納得する、アリサとすずか



「あぁ!」

「どうぞ!」



 すずかの了解を得て扉が開かれ。 はやての予想通り、なのはとフェイトが部屋の中に入って来た。



「八神特別捜査官、高町なのは武装隊士官候補生、只今到着致しました。」

「同じく、フェイト・T・ハラオウン執務官候補生、到着しました。」



 堅苦しい挨拶の後ふたり揃って、敬礼を“ビシッ”っと決める。 そんなふたりに、“ポカン”とする
 アリサとすずかそれを見て、さっきの仕返しとばかりに悪乗りする、はやて



「高町武装隊士官候補生、ハラオウン執務官候補生、今回の事件の詳細を説明するからこっちに集まってもらえるかな?」

「「はい」」



 アリサとすずかを一瞥しながら、はやての元へ近づいて行く。 なのはとフェイトは念話を使って不満を主張する



【はやてちゃん、何で・・・わたしとフェイトちゃんを指名したのかなぁ?】

【そうだよ、はやて! 理由を聞かせてくれるかな?】

【え? というか・・・・・・ふたりともなんでそないに、不機嫌なん?】

【【・・・・・・・・・・・・・・・・・・。】】



 はやての問いかけるに、沈黙する、なのはとフェイト。 その頬が僅かに、赤く染まっているのは決して気のせいでは無い
 そして、フェイトがその沈黙を破ってはやてに説明する様に冷やかな視線を投げ掛ける



【はやて・・・・・・。 質問に質問で返すのは無しだよ?】



 もしかせんでも、めっちゃ怒ってる? 何がそんなにお気に召さんのか知らへんけど・・・・・・。 これは仕事なんよ?



【理由は単純なんよ? 被害者がアリサちゃんやから、顔馴染みの方が良いやんかぁ?
せやから、ふたりを指名させてもらったんやけど?】



 はやての説明に不満を訴える、なのは



【それなら、別に・・・ヴィータちゃん達でも良かったよね?】

【そうだよ、はやて!】



 なのはの指摘に、首を縦に振り。 なのはが正しい事を主張する、フェイト。 ふたりの連携を見て苦笑いを浮かべる、はやて
 あくまでも、わたしが悪いって言いたいんやね? それで・・・そうせんと気が済まん何かがあったんやね?
 後でちゃんと説明してもらうよ?



【あんなぁ なのはちゃん、フェイトちゃん。 そういう風に決め付ける前に、わたしの都合も聞いてくれへんか?
今日ウチの子らは全員、それぞれ任務に就いてるんよ? それも、こっちの都合で抜けれる様な配置やないんよ?
この意味理解出来るやんね? だから、必然的にわたしはふたりを指名させてもろたんや!】



 執務官を目指している、フェイトは納得して従う



【分かったよ、はやてそれじゃあ仕方ないね、で・・・アリサがどうしたのかな? 説明してくれる?】

【了解や! フェイトちゃんなら分かってくれると思てたよ♪ とりあえず、ちょぉアリサちゃん見てみぃ!】

【むぅ・・・・・・。】



 はやてに促され、アリサに視線を向け様とした時、なのはの呻き声が聞こえて思わず動きが止まる



【どうしたの? なのは??】

【だって・・・・・・。 フェイトちゃんもはやてちゃんも、わたしを無視して話を進めちゃうんだもん! わたしまだ納得してないよ?】

【え? でも、なのは・・・はやての説明ちゃんとしてたよ? 理由も納得出来ると思うんだけど?】

【納得出来るけど。 出来ないよ!! フェイトちゃんのバカ!!】

【・・・・・・なのは。 バカは酷いよ? それに・・・これは仕事だから、ね? 機嫌直してよ】

【でも、でも・・・・・・。】



 なのはちゃん、そんな所まで不屈なんやね? けどな? 公私混同は良くないで? 引き受けた以上は、ちゃんと仕事しようや!



【あんなぁ・・・なのはちゃん、レティ提督から連絡受けて・・・仕事引き受けたんやろ? せやったらちゃんと仕事せんとあかんのと違うか?
今回は、ふたりとも、わたしの指揮下に入ってもらうから・・・・・・ちゃんと仕事してな? ええな?】

【むぅ・・・・・・・・・。 はやてちゃんのバカ!!】



 ちょぉ!! どんたけ不屈なんよ? なにがお気に召さんのん!? 八つ当たりやんか!!
 わたしかて、好きで休暇潰してまで仕事してるんちゃうんよ? 友達が困ってるからなんやよ?
 原因を何とかせんと、同じ事の繰り返しやね? しゃあない、フェイトちゃんから聞き出すか・・・・・・



【なぁ、フェイトちゃん・・・・・・。 なのはちゃんなんでそないに機嫌悪いん? 何が原因なん?】

【え!? それは・・・・・・・・・。 い、言えないよ!! そんな事したら、私がなのはに怒られるよ!】

【せやかて、これじゃあ・・・仕事にならへんやん! 次元震とか災害の心配はあらへんみたいやけどな?
古代遺物が絡んでるかもしれへんねん! 今は口論してる場合やないんよ? せやから、早う理由言ってくれへん?】

【うぅ・・・・・・・・・。 分かった話すよ、けど・・・・・・責任取って、なのはの事何とかしてよ?】

【勿論や! せやから早う話て!! これ以上ほっといたら・・・・・・。 アリサちゃんが怖いから!】

【えと・・・私、昨日はなのはの家に泊まってたんだけど。 はやての要請で、母さんとレティ提督から直接連絡があったんだけど・・・
間が悪かったとしか言えないんだけど・・・・・・。 なのはと、その・・・・・・キスしてる所を見られちゃったんだ。
お陰で、散々からかわれたよ・・・・・・。 私・・・暫く家に帰るのが怖いんだけど?】

【・・・・・・・・・。 それは・・・・・・なんて言うか、状況が手に取るように分かってしまう所が怖いなぁ〜
あのふたりがタッグ組んだら半端無いからなぁ。 災難やったなぁ・・・不可抗力とはいえ、ごめんな? フェイトちゃん】

【いや、はやてのせいじゃないよ! 母さん達がやり過ぎなだけなんだし・・・ね?】

【まぁ・・・せやねんけど。 ちなみにフェイトちゃん、そん時のリアクションやねんけど〜 顔真っ赤にして、あたふたしてへんか?】

【そうだけど・・・・・・。 何で分かったの?】

【多分せやろと思っただけや〜 わたしからちょぉアドバイスやねんけど、アリサちゃん家でこないだ恋愛ものの映画皆でみたやろ?
フェイトちゃん覚えてるか?】

【うん、覚えてるよ。 あの後、珍しくすずかがアリサにお願い事してたよね? アリサ凄く焦ってたから、良く覚えてるよ!】

【あはは。 せやったなぁ〜 (アリサちゃんもちょぉヘタレさんやからなぁ〜)
その映画のな? 決め台詞あったやろ? リンディさんとレティ提督にからかわれた時は、その台詞で切り返してみて。
勿論、照れずに自信を持って言うんやで! 多分引いてくれると思うんよ?】

【あんなので良いの?? 私にとっては、当たり前の事だよ? それを言った所で効果があるとは思えないんだけど?】



 当たり前なんかい!? 流石、普段は王子様やね。 フェイトちゃん意識して言ってないからなぁ〜
 恥ずかしい台詞平気で、ばんばん言うもんなぁ・・・・・・・・・天然ジゴロや・・・・・・。



【とりあえず、1回試してみてくれへん?】

【分かった。 やってみるよ!】



 さてと、フェイトちゃんと話ついたし。 なのはちゃんの説得に取り掛かりますかぁ〜



【なのはちゃん、リンディさんとレティ提督にフェイトちゃんとイチャイチャしてる所を見られたんは気の毒やねんけど・・・な?
はよぅ機嫌直してサクサク仕事すんで!! 古代遺物絡んでるかもしれんから、迅速が第一や!
せやから、はよぅ気持ち切り替えてな?】



 はやての言葉でなのはの顔色がガラリと変わるその顔には、焦りと驚きに満ちていた。



【ふぇ!? な、何で知ってるのぉ? ・・・・・・・・古代遺物? えっ! 関係してるの??
もぅ、はやてちゃん。 そういう事は早くいってよ〜】



 なのはちゃん・・・・・・・・・。 いやいやいや、説明しようとしても怒ってたやん。
 もぅええよ・・・わたしが悪かったって事で。 これ以上ほったらかしにしたらアリサちゃんが怖いねん・・・・・・。



【堪忍なぁ? 早速やねんけど、状況把握して欲しいんよ〜 始めにな、アリサちゃん見てくれへん?】

【アリサちゃん?】

【せや! あぁ、フェイトちゃんも一緒に見てな?】

【うん、はやて】



 はやてに促され、なのはとフェイトはアリサを見詰める。 二人の様子に安堵するはやて

 はぁ・・・。 これで何とか仕事に取り掛かれそうや〜 始める前からどっと疲れたで・・・・・・ホンマにぃ〜
 流石、不屈のエースオブエースと言うか・・・・・・そんな所まで不屈やなくてもええんやけど…。
 わたしも陸のエースやねんけど・・・・・・なんや自信無くすわぁ〜 わたし本当に指揮官適正あるんやろか?

 自身について苦悩し 苦笑いになる、はやては歳相応らしからぬ表情になっていた。





 続く

 
 はやて、完全に八つ当たりされるwwwwww

ごめん・・・・・・。 損な役回りでごめんよ〜


【2010年4月12日〜24日】 著

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